妻が椎茸だったころ妻が椎茸だったころ
(2013/11/22)
中島 京子

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評価 4.8

不思議な味わいの作品だったが面白かった。
独特の世界が広がっていてそこはやはり読ませるのだ。

タイトルの作品は、妻を亡くした夫が椎茸持参の妻が予約していた有名料理家の料理教室に行く、と言う話なのだが、その過程で妻の日記が出てきたり、椎茸のもどし方を会得したり、その妻の日記で椎茸のふとしたことに話が及んでいてそれが印象的だったりした。

最初の話リズ・イェセンス~の話は、かつて留学していてそこからの帰路である家にお邪魔すると言う話だが、ラスト思いも寄らない結末が待っていた。
ラフレシアナは、逆転が面白い、逆転の発想が。
最初女性がまともで男性が妙な人、というくくりだったのが、途中でこれが反転する。
そしてラストまで読むと見事にまた逆になっているのだ。

蔵篠猿山~は、これまた奇妙な物語だ。
取り付かれた物語と言ってもいいだろう、瞳の中の色が怖い。

ハクビシンをかう、は、この中でも好きな話だった。
あまり知らない叔母、色恋沙汰から遠そうな叔母。
その叔母が一人の男性と暮らしていて更にハクビシンを飼っていたというのを知らされるが果たしてこの男もどこから出てきたのだろうか。
中国のおとぎ話でも聞くような心持にさせてくれる作品だった。