2014.03.20 セラピスト
セラピストセラピスト
(2014/01/31)
最相 葉月

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評価 4.4

まず自分が思っていた内容とはかなり違ったというのが第一印象だった。
個人個人の症例というのがもっと出ていると思ったし(最初の絵は色々の人のものだと思っていた)、まさか自分がカウンセリングを受ける、また後半ではカウンセリングを医者にする立場になる、というのは創造してなかったからだ。
更に、後半、非常に驚いた、この人本人のことがいきなり綴られてくる。
これはこの本に必要なもの、と言う認識で勿論書かれたのだろうし、書いたということに対しての決断もあったのは理解できるのだが、それでもうっすらと何だか不思議な感じが漂う。
前半のカウンセリングの歴史やその辿ってきた道がやや専門的で読み難く、後半2章になってようやく私の読みたい部分に到達した、と思ったのだった。

セラピスト。
カウンセラー。
これほど千差万別のものもないんだなあというのが全体を読んでみての感想だ。
河合先生の箱庭療法は(こういうのもあるんだ)と前から注目していたのだが、これすらカウンセリングをする人側が徹底的な聞き役になり、ばかりかそのカウンセラーの人間性まで関係してくるというのが空恐ろしいような気持ちになった。
文章家でもある中井先生へのアプローチはこれまた興味深かったのだが、「結果を知っている分析できる」という先生は自分がしていることに無意識になれるのだろうか、と言う疑問もまた沸いた。
にしても途中で気持ちよく眠ってしまう中井先生が可愛らしい(放出してリラックスしているということなのだろう)

クライアントとセラピスト。
この二つの両輪が信頼しあってこそうまくいく、という実に単純なこと(しかし深い)を教えてくれた本だった。
それにしても時間がなく3分診療というのはあまりにこの病に悲しい。