シャーロック・ホームズの生還 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)シャーロック・ホームズの生還 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
(2006/10/12)
アーサー・コナン・ドイル

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評価 5

読み返してみようかなあ・・・と思っていた。
どの版にするか非常に悩んだのだが、まずシドニー・パジェットの挿絵が入っている(各作品につき2作品)というところと、注釈が細かいのと、あとは訳が私の好みそうだったからだ(主観によると思います)

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生還から読み始めたのは、確かめたい話がこれに載っていたためだ。
この中で、踊る人形は今読んでもわくわくする、子供時代にどんなにか踊る人形に魅せられた事だろう、そのことを思い出した。一番多く英語で使う文字がEだというのをここで知り、じゃあ日本語ではなんだろう?と思ったことまで思い出した。そして暗号を自分で作ったことなども。
踊る人形は、この絵がもうユーモラスでそれだけで心をつかむ。ちょっとおどけた雰囲気もある絵なのに真相がわかると人形そのものまで邪悪に見えてくる。

私の確かめたかった話は、プライアリースクールだった。
重要な人間の子供が寄宿制の学校から失踪した、と言う話だったが、この蹄鉄の足跡の謎よりも(これはあとでわかるのだがそれほどトリックとしては驚きはしなかった。
それより、なぜこの子供が失踪させられたかまたは失踪したか、という謎の答えは覚えていたのだが、なぜ一緒に学校の教師がいなくなりああいう姿で出てきたかと言うつながりをさっぱり忘れていたのでそこを確かめたかったのだった(で、読んでみて納得した)

美しき自転車乗り、は、原題とは全く違うが(と解説にもある)、このタイトルはタイトルで美しい。
そして今の目、で見てみると、これって完全にストーカー複数に追われている女性の話、ではないか。
相手が好意を持っているにせよ、悪意を持っているにせよ、こんなに多くの人に愛されるまでの美貌は!と突っ込んでいた。そしてラストの数行の女性の辿った道にも微笑んだ。
それにしてもプライアリースクールでも、美しき自転車乗りでも、なんと自転車の重要なことだろう!

6つのナポレオン像は、きれいさっぱり忘れていたが、読んでいるうちに、(これじゃないがすごく似た話を読んだことがある)と思って、途中からその目で読んでいたので、わかったのだが。
青い紅玉と構造的に似ていないだろうか。
困り果ててぱっと目の前のものに重要なものを入れて、入れているものが、生きているガチョウか、無機物のナポレオン像かという違いだけで。「奇妙な隠し場所」というのが目を引く。でもずうっと青い紅玉の方がいいと思った

恐喝王ミルヴァートンと第二のしみはこれまたタイプ的に似ている。
結婚前の女性からの他愛のない手紙、が重要なファクターになるというのは、時代なのかもしれないが、これは形を変えて今の時代だって「過去への嫉妬」ということで切り取れば、同じような犯罪が起こっていると思った。