寂しい丘で狩りをする寂しい丘で狩りをする
(2014/03/26)
辻原 登

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評価 4

ものすごく辛い話だった。
この作者だからそれはもうページを繰る手が止まらない。
ただ題材として辛いのと、それと途中の映画関係の面白い話とが噛み合っていない気がした。
映画関係の話など面白すぎるので、これはこれで単独で書いて欲しかった、この話に組み込むのではなく。

話は、簡単に言えば、ストーカーの話だ。
一人は暴行された男が刑務所に入って出所してまだ尚追われるという女性、敦子(映画関係の仕事
一人は付き合った男がDVの男でこれまた別れてもまだどこまでも追ってくるという女性、みどり(探偵業

この二人に付きまとう男が途中で(死ねばいいのに)と思うくらいに嫌な奴らだった。
結局でもこういう人間とかかわりを持ったら最後、どうしたらいいのだろう。
この二人の女性が、男たちにだらしないわけでもなく、こんなに全うに暮らしていて、ちょっとしたあることがきっかけで人生を破壊されていく、その様が恐ろしい。
この女性たちにはなんの落ち度もない。
という、社会に対する疑義提出、のような部分がある一方で、山中貞雄のフィルムが再現されるというような部分があるので(フィルム喪失の話はとても興味深い)なんだかここらがしっくりこないように思った。

最後の解決も、これなのか。
これしかないのか。
あともう一つなんだかなあ・・・と思った場面があったのだった。

以下ネタバレ
・結局
ストーカーが死ぬか
ここであるように、記憶喪失になるか
この二つしか逃れる手はないのか。

・なんだかなあ・・と思ったのは
相手の家に不法侵入して盗聴器を仕掛ける場面。
相手はストーカーなので何をしてもいいとは思うけれど心情的には。
でもまずいだろう・・・・しかもこの盗聴器、さして役に立っていない