名画に見る男のファッション (単行本)名画に見る男のファッション (単行本)
(2014/03/26)
中野 京子

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評価 4.9

語り口が非常に面白い、相変わらず。
切り口がいいというのも大きいだろう。
ある一つのファッションから派生して別のことに言及しそこからまた別の話に飛躍していく、ホップステップジャンプ具合が読んでいてわくわくする。

ただ贅沢なようだけど、分量的に少ないような気がする。
焦点を当てているところが面白いだけに惜しくてならない。
字が大きいのはありがたいのだが・・・
次を待てばいいのか・・・

・・・・
男のファッション、に注目して名画を見ると言う試みだ。
名画といっても知らない絵も出てくるし、あーこれはかの有名な・・・(特に表紙のナポレオンは有名すぎる)というエもある。
その絵の中の男性ファッションが見ていて実に楽しい。
想像で実物以上に描かせる人間というのがいるのが納得できる一方で、それより何より服に注目するとこんな視点があったのかというのがかいま見えてくる。

ナポレオンの凝った襟からくる、ナポレオンカラー(美しい襟)
前からずうっと疑問だった襞のついた襟、ラフ(流行だったのですね・・・)
ダンディズムのきわみのファッション(イギリスが主流)
子供時代のモーツァルトの(これも大変有名な絵)の服がお下がりだった(
ヨハネの着衣の説明(唯一ヨハネがあるらしい)
スイス傭兵の派手ファッション(これはバチカンの入り口に引き継がれてないだろうか、私見だけど)
フェルメールのこの絵は、丹前だったのか!(驚いた、ガウンだとばかり思っていた)
チャタートンの死という絵から漱石の虞美人草に行く話(面白い、とんでもなく面白い)
誰しも戸惑う皇帝カール五世と猟犬のひとこま(指差す先は・・あ・・・)

道化論にもなっている、愚者の船の面白さ(ボスって本当に変、いい意味で
真っ赤なサッシュの海賊が格好いい絵(今のパイレーツオブカリビアンを髣髴とさせる)
可愛らしさが際立つセーラー服の「アルバート・エドワード王子」(しかしこの話のラストが驚き桃の木・・・)
靴の先がとんがってるのが笑える絵
むちむちの足が目立つ絵(前から疑問に思っていた、「なんで王様は足を出す問題、ここで解決)
頭おかしいんじゃないかと思われる扮装をしたコスプレ王が意外にまともと言うのに驚くヤン・トーマスの絵
悪魔より派手な教皇が笑える、聖アウグスティヌスと悪魔
無邪気な美しい絵と思っていたフラゴナールのぶらんこの邪悪さ(まさかこのような話が展開しているとは!

子供の邪悪さが目立つ巾着きりのマリクリウス(帽子が今でも通じる可愛さ)
マントの重要性がわかるゴヤの絵(マントは注目しているアイテムだが用途も多いこと多いこと・・・)
ヴァン・ダイクの王様の髭(権力を誇示・・・)
今でも本当に通じる豹柄バッグの目立つダヴィデの絵(可愛すぎるのにやってることは・・・・)
刺青が際立っているウルフ将軍の死
かつらと髭の関係をわからせるマンサールの肖像(かつらと髭は反比例・・・)
のみを考える大使たち(うわーーのみ?)
民族名だとばかり思っていたコサックが違うと言うのをわからせてくれたコサック(自由の人と言う意味だったのか)
紐のパンツが大変そうな聖クロス(ゴムの発明って偉大だ・・・・)

蚤の幽霊を着ぐるみと捉える面白さ
横縞の新たな見方を考えるルソーの作品(そうか・・中世で横縞って良くなかったのか・・・)
ヨーゼフ一世の偉大さがわかる一品(目が既に悲哀を帯びている)