2014.05.25 横道世之介
横道世之介 (文春文庫)横道世之介 (文春文庫)
(2012/11/09)
吉田 修一

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評価 5

もう面白くて面白くて一気読みしてしまった、そしてラストにはしみじみとした気持ちにもなったのだった。
極めつけの青春物語であり、ある一人の男横道世之介の東京に出てきて右往左往している大学生活を笑い交えて活写している。
そこここで声を立てて笑った本でもあった。
また、この本、現在だけではなく、その時点から見ると未来も描いている。
今現在大学生の人達が将来どうなっているのか、どんな生活を送っているのか、というのが最初誰だかわからない仕掛けになっているが、読んでいると(あ、この人はこうなったんだ・・・)としみじみわかる描写が出てくる。
ここも巧いなあ・・・と思う。
後半で横道世之介も勿論・・・

田舎から出てきて初めての一人暮らしを始める横道世之介。
彼はサンバ同好会と言うサークルに入り、そこで男女の同級生と知り合う(この時の女性の「目」の会いプチの話にも大爆笑)
そしてそのうちに彼女も出来始める、ちょっと不思議なお嬢様の彼女も。
また田舎の家に帰れば、高校生の時に付き合った女の子、また同級生の男子などたくさんの人間が彼を待っている。
またひょんなことから知り合った学生がゲイだという事、
海での出来事、学園祭、憧れの年上の彼女、と多彩な人達が横道世之介の周りにうごめいている。

この話のキモは、横道世之介が実に好感が持てる人間だと言うことなのだと思う。
たいしたハンサムでもなく一般的男子と言う感じながら、行動を見ていると憎めないし、ほのぼのとしてくるのだ。
そして最後の方に出てくる手紙の中の写真。
これを読んだ時にわっと泣きたくなったのだった。