本屋さんのダイアナ本屋さんのダイアナ
(2014/04/22)
柚木 麻子

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評価 4.4

冒頭から、大穴(ダイアナ)と言う珍妙な名前をつけられた女子が現れる。
いじめられそうになった時、颯爽と現れかばってくれた美少女が裕福な家の彩子。
彼女と大穴は不思議な友情を育み、あることで離別し、そして十年後に再び奇妙な場所で出会う・・・


乱暴に言ってしまえば
貧しい少女大穴と、裕福な少女彩子のそれぞれの人生の軌跡を描いている物語だ。
前半、小学校時代の二人の本での結びつきが実に好ましい。
大穴(ダイアナ)から、赤毛のアンのダイアナを連想する彩子。
そして彩子に憧れ、彩子の家に憧れ、彩子の上品な母にあこがれる大穴(ダイアナ)は、母子家庭で母はキャバクラで働いていて、父のことは不明だ。
彩子は彩子で、ざっくばらんな大穴(ダイアナ)の家に居心地の良さを見つけ、大穴(ダイアナ)の母に自分の母にはないものを見出していく・・・・

二人が本を語り始めているときに、一冊の共通の本が二人を更に近づける。
それが秘密の森のダイアナと言う本だ。
謎の作者はっとりけいいちと言う人が書いた本なのだ。

・・・・
前半の小学校、そして道が分かれてしまった中学校までわくわくしながら読んだ。
大穴(ダイアナ)の部分の方がやや読んでいて面白い気もしたが。
そのうちに大穴の母の秘密が暴露されていく。
と同時に父の秘密もわかってくる。

彩子が大学生になり、あるサークルである出来事が起こる。
このあたりの描写があまりに微に入り細に入りなのでここだけ浮いているように思った、ここまで詳しくなくてもいいのに。
アンバランスなのだ、他の部分に比べて。
ここでかなりげんなりしたのだった。

またお父さんと別れた理由が何度書かれているが、なんだか落ちなかった。
精神的に弱いと言う人ことなのだろうが、そうなのか・・・だったからなのか・・・とすとんと落ちない。
また後半、彩子の家というのが見えなくなってきた、彩子中心の生活だから遠景になって行くのは致し方ないのだろうが。