私がデビューしたころ (ミステリ作家51人の始まり)私がデビューしたころ (ミステリ作家51人の始まり)
(2014/06/28)
東京創元社編集部

商品詳細を見る


評価 4.6

それぞれの推理作家がどうやってデビューしたか、デビューの頃を書いた始まりの書だ。
それを正直にがっちり書いた人も入るし、韜晦気味に書いた人もいるし、インタビュー形式を自分で作って書いた人もいるし、それはさまざまだ。
投稿をし続ける人、そこから拾われる人、そこで賞をとる人、ある賞ではじかれて別の賞でとる人。
どの話も大変面白い、作家が作家以前の話とか、どうやってこの世界に入ってきたかと言うのを読むと、必然がある人と、全くの偶然が重なり(これも必然なのかもしれないが)作家になった人とか、それは色々だ。
ただ、推理作家の場合、推理小説を読むのが好きだったという人が多いので、そこは一般小説の作家とはやや違っているだろう。
読み手から始まる推理作家、そんな感じがした。
一般小説であれば、全く今まで本を読んでいなかったと言う作家もいるからだ、ある時に書き始めましたと。

また「出会い」というのも大切なんだなあと改めて思ったのだ。
良き編集者との出会い、良き友人との出会い(作家の友人)が高めてくれるのだなあと。
何度も出てくる講談社の宇山さんと言う方と、創元の戸川さんが何度も色々な人の話の中で出てくるので、とても重要な人だというのがわかったりもした。

この中で、島田荘司の「ナツコとの出会い」が怪談のようで怖かった。
これは本当の物語なのか、それとも創作か、とちょっと思ったりもした。
こっくりさんの話が入っているが、最初から最後までとても怖い。
宮部みゆきの覆面作家北村薫の話もとても面白かた、まだ北村薫が北村薫ではない時代の話だったが。
あと驚いたのは小林泰三の話は本当なのか。
妻が作家を彼に勧めた話はとても印象深かった、思ってもみなかった勧めということで(しかも最初は妻が作家になろうとしていたって・・・)

ただ。
別の本で自分の作家人生の最初というのを語っている人が多いのもわかる。
けれど、この本で最初にその人の作家人生を知る人だって入るわけだから、それを他の本にもう書きました、というのはいかがなものか。
ここはもうこれが最初のエッセイとしてたとえ過去のものと重複しても書いて欲しい。
いくつかのエッセイでそう思ったのだった。