リップステインリップステイン
(2014/06/18)
長沢 樹

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評価 3.7

今までの長沢樹作品と同じ部分もあり(青春+映像+少女)、全く違う形のミステリでもある作品だった。
合う人と合わない人といるだろう。

私には合わなかった。
非常に文章が読みにくい上に、出てくる人出てくる人、誰一人好感が持てずに、
(いつになったら誰か信頼できるまたはときめく人が出てくるのだろう・・・)
と思っていたが、最後までそれは変わらなかった。
(やや、だが、香砂がけなげに見えないこともないが、なんせやっていることが解せなくて・・・・)
なんだかかんだかあちこちで、気持ち悪いなあ・・・(気持ち悪いと言っても、生理的に許せない気味悪さのようなもの)が充満している。

しかもミステリ+スーパーナチュラル。
スーパーナチュラルが、本当はこうでした・・・というのを期待したが、本当にスーパーナチュラルらしい。
警察小説部分もあるがここもまた読みがたい。
この警察官のしていることがなんとも気味悪い(としか見えなかった)
だからこの警察官が後半謎解きに絡んでいってひとつの線に集約するというところも、全く乗れなかったのだ。

表紙から「爽やかなひと夏の青春ミステリ」を勝手に思ったのが悪かったのだろうか。
なんといっても長すぎると思う。
消失グランデーションをとても面白く読んだので、惜しい、と思った。

・ひとつの話は、映像の専門学校生夏目行人の物語だ。
渋谷の歩道橋で制服を着た少女城丸香砂と出会う。
彼女は「武者修行中」だといい、話が進むにつれ、彼女の姉がある事件に巻き込まれたことを知るようになる。
また行人の学校の夏製作でドキュメンタリーを彼はとることにするのだが、その過程で、賞をとったカリスマ的な存在の先輩、また才能あふれている同級生の女の子、バイトしているテレビ局で一緒に働く同級生、とさまざまな人が話しに絡んでくる。
・もうひとつの話は、香砂の物語。これが行人の話と重なり合いながら開かれていく。
彼女は人にとりつく悪意を退治していて、それは近くに寄ってキスするように彼または彼女の悪意を出してしまう。
(ここがスーパーナチュラル、異能ともいえるところ)
彼女には姉がいて、あることで亡くなっている。
・またもうひとつの話は、警視庁捜査一課の水瀬優子は連続ノックアウト強盗犯を追っていた。
彼女は家庭に帰るとあるひとつの問題を抱えていた、そしてそれが問題になってることはわかってるのだが、彼女自身が巻き込まれているとはわからなかったのだ。


以下ネタバレ
・同性愛がこうして出てくるのがなんだか気持ち悪い。
カリスマ的な存在の男に引き出される様も気味悪い。
(このカリスマ的男もついでに気持ち悪い)
・自分の家の引きこもり義弟と関係する警察官の妻(彼女自身も警察官だが)が気持ち悪い。
そして、共依存と言う展開・・・わかるのだがわかるのだが・・・
・行人と一緒にテレビ局バイトに入っている美晴も全く好感が持てない。
後半で、行人とともに行動するようになってすら、好感度アップできず。
・如月が唯一良くなるかなあ・・・と思っていたこの展開。