2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3617ページ
ナイス数:222ナイス

悪意の糸 (創元推理文庫)悪意の糸 (創元推理文庫)感想
マーガレット・ミラー本邦初訳作品。とても読みやすい作品でした。何しろ登場人物が少ない上に、話もそれほど複雑ではありません。最後まで読んで、冒頭部分を読み返すと、(だからこんなにシャーロットは追い返したヴァイオレットのことを気にしたんだなあ・・・)ということがわかります。ラストのもつれた糸がほどけていくところが読ませます。ただ、やや想像のつく世界かなあ・・・というのも思いました、時代もあるのでしょうが。そしてそこがまたいいところなのは重々承知の上で。
読了日:8月31日 著者:マーガレット・ミラー
女という生きもの女という生きもの感想
なぜかふわふわっと読んでしまうミリさん本(これはエッセイだけれど漫画も)。自分が色々な場面で思っていたことで忘れていたことを掘り起こしてくれて、そこを言葉にしてくれる魅力があるのだと思います。毎回の本で、多くの共感とちらっと反感もあるのだけれど、それでも読み続けちゃうのは、少したつと(ああ・・・自分もこんなこと実は感じていたんだなあ・・・)とわかるからなのでしょう。毒舌とはまた違うんだけど、ちょびっとシニカルな目で、忘れていたことを思い出されてくれます。
読了日:8月31日 著者:益田ミリ
パラークシの記憶 (河出文庫)パラークシの記憶 (河出文庫)感想
恋愛+SF+推理小説の要素があって大変楽しく読み終わりました。特異な環境での推理が成り立っているのでそこが非常に面白く。記憶の伝承とか記憶へ入っていくところとかわくわくしながら読んでいました。一方でロミオとジュリエットのような、反目する二つの村の少年と少女が許されない恋愛をするというこの部分もきゅんとしていました。成長譚でもあるのかなあ・・・。この星の成り立ちとか、なぜとか、前作で色々思ったことがこれで開きました。前作を読んでなくても楽しめる、と言いたいところですが、前作は必読だと思います。
読了日:8月31日 著者:マイクル・コーニイ
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作か?: 聖書の物語と美術 (小学館101ビジュアル新書)ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作か?: 聖書の物語と美術 (小学館101ビジュアル新書)感想
前作の「ミロのヴィーナスはなぜ傑作か」がとても面白かったので、これも読んでみました。今回は副題にもあるように聖書の物語をテーマにした美術作品(絵画が主)を解説してくださっています。相変らずの丁寧でありながらのわかりやすさと、そして同じテーマでも、これだけ異なった絵があるということに思わず見入りました。タイトルがこれですが、聖書の物語のいくつかを扱っているので、最後の晩餐の話だけではありません。ただ、ラストの最後の晩餐の章は確かに圧巻、ユダの描き方とかの変遷とかとてもスリリングに読みました。絵はカラーです。
読了日:8月31日 著者:高階秀爾
私に似た人私に似た人感想
面白く読みました。犯人、最後わかった時、驚きました、全く違う人を思っていたから。理想を強く掲げる首相がいる近未来日本(でも今の日本に極めて近い)で、小さなテロ事件が起きている、それは自爆テロ(トラックで人ごみに突っ込む)であったり、通り魔殺人的に人に切りつけたり。社会が悪い、自分は悪くないと言う理屈。それぞれの人の置かれている立場が痛いほどわかりました。ネット上のトベという人間が肝になるのですが、このあたりの広がり方もいかにもネットと言う感じで巧みでした。ただ・・・もやっと感は色々残るのだけれど。後一歩。
読了日:8月15日 著者:貫井徳郎
神様ゲーム (講談社ノベルス)神様ゲーム (講談社ノベルス)感想
再読。以前はミステリランド版で読んで今回新書で。どう考えても子供向けじゃないだろう・・・。今回、犯人もろもろわかった状態で読んでいたので、ある人物に焦点をあてて読むという変則な読み方をしていました。良く出来てると思います、思い切り後味悪いのも素敵ですし、神ありき、という設定そのものがもう侮れないです。一見名探偵カッレとスパイ団のようなジュブナイルっぽいのに、この暗黒の展開がすごすぎ。衝撃のラストもまた!
読了日:8月10日 著者:麻耶雄嵩
さよなら神様さよなら神様感想
素晴らしい。前篇3作があってこその後篇3作ですが、バレンタイン昔語りには度肝抜かれました、そしてそれに続く2作の破壊力の凄まじいことと言ったら!まだ興奮しております。
読了日:8月7日 著者:麻耶雄嵩
ライフボート (集英社文庫)ライフボート (集英社文庫)感想
漂流物大好きなので、大喜びでこれも。そして期待は裏切られませんでした、但し、サバイバル物というより心理劇要素が強いけれど。語り手のグレースがまず裁判で出てきて、そのあと豪華客船爆発で救命ボートに乗った人達の描写が。グレースがなかなかの女なのです、それが徐々に話の中で明らかになってきます。極限状態の中の人間性暴露、カリスマ的な存在だった男の末路、必死にボートから水をかきだす人達、帆をはるかはらないか闘争と読みどころは多くありますが、肝は、この話全体がグレース語りなので、真実がぐらんぐらんしているところ。
読了日:8月6日 著者:シャーロットローガン
時は乱れて (ハヤカワ文庫SF)時は乱れて (ハヤカワ文庫SF)感想
すっごく良かった!前半から中盤までは、何気ない普通の日常生活が綴られています、書かれていることからおそらくは1950年代と予測がつき、普通の街の普通の人達が描かれていて、そこでの有名人レイグルは、新聞の懸賞でなぜか勝ち続けていて、懸賞金で生活をして弟一家と暮らしていると言う・・・しかしレイグルは自分が自分でないような気がして、更にはあるものが一枚の紙切れになるのを目撃し、更には甥が廃墟から拾ってきた雑誌に違和感を感じ現実世界に疑念を抱き始めるのです。ぐらっとなる現実、そしてその先に待っていた真実とは!
読了日:8月6日 著者:フィリップ・K.ディック
リップステインリップステイン感想
申し訳ない、私には合いませんでした。
読了日:8月6日 著者:長沢樹
水丸劇場水丸劇場感想
水丸さんお亡くなりになったんだなあ・・・と改めて思いました。皆さんからの追悼の言葉も読ませますし、水丸さんのシンプル・イズ・ベストの絵も和むし、あと何よりも彼の文章も大好きなので、それも収録されていて懐かしいなあ・・こういう感じの文章を書くのだよなあ・・・と感慨深かったです。まっとうなことを言っているのですが、それがちっとも説教くさくなく、すとんと胸に落ちます。ただ、村上春樹の追悼文も読みたかったのも本音。合掌。
読了日:8月5日 著者:安西水丸
和田誠シネマ画集和田誠シネマ画集感想
映画に関してのイラストを(個展で出したものなど)一堂に会しているので、映画好きにはたまりません。最初のところの文学者のところもおまけのようで楽しいし(ポーとかドストエフスキーとか、背景とかタッチまで違うので面白いなあと思いました)、映画の1シーンもそれはそれは見せます。索引までついていて、各映画の詳細情報も出ていて丁寧なつくりです。ただ、それぞれの映画に和田さんのコメントが欲しいかなあ。ついているものもあるけれど(別枠で)、ちょっとでもついていたらもっともっといいのになあ・・・と惜しく思いました。
読了日:8月5日 著者:和田誠

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