バルテュスの優雅な生活 (とんぼの本)バルテュスの優雅な生活 (とんぼの本)
(2005/09/21)
節子・クロソフスカ・ド・ローラ、夏目 典子 他

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評価 5

バルテュス展を少し前に見たので、それにあわせて読んでみた。
特殊な画家なので、毀誉褒貶があるのはとてもわかる画家だ。
少女をターゲットとし、ある種タブーの部分にまで切り込んでいく画家、バルテュス。
しかし彼の好みは生涯変わることなく少女であったが、それを芸術の高みにまで至らしめたというのが大きな功績だろう。
なんと言っても彼が一瞬で閉じ込めた少女の姿に胸打たれる。
それは、一種痛々しく、一種妖艶で、一種何かを内包している作品群なのだ。

この本、生い立ちから最後の日本人の奥さん節子さんに至るまでを図版とともに描いている。
最後の年譜も見入ったし、また同じように少女の物語を書いたナボコフを誰しも思うだろうが、ナボコフ側からはバルテュスに親近感を持ったようだが、バルテュスは比較されるのを嫌がった、というのも興味深い。

嵐ヶ丘のモチーフが何パターンかあったのも見ていて楽しかった。