2014.09.26 クラスメイツ
クラスメイツ 〈前期〉クラスメイツ 〈前期〉
(2014/05/14)
森 絵都

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クラスメイツ 〈後期〉クラスメイツ 〈後期〉
(2014/05/14)
森 絵都

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評価 4.5

ああ・・・こういう小説があってもいい。
小学校高学年から中学生の時に、こういう書き手がいたならば、大喜びで読んだだろう。
24人の中学校一年生の心がそれぞれの人に分かれて描かれている。
巧いなあ・・・と思うのは、同時期ではなく、少しずつ季節が動いているのだ。
だから、前の話である女の子が語っている時から、次の話の男の子が語っている時は少しだけ動いている(大きく動いている時もある)

同じ小学校から来た仲良しがクラスの中にいなくて、自分の立ち位置を決めようとする中学1年生の最初、というのを鮮やかに思い出したりした。
なんとか努力するがその中の輪に入れないで不登校になる女の子。
いつも机の中が汚い男の子。
すぐにきれてしまう男の子。
リーダーシップがとれ成績もいいのだが、屈託のある男の子。
親友と思っていた女の子に裏切られた気持ちになる女の子。

ゆるく糸が繫がったり切れたりして友情がそこにはぐくまれていく。
音楽会という一つのイベントがクラスをまとめていくところも読ませた。
何かと水泳部に誘う担任の女の先生も必死さが見え隠れしていて好感が持てる。
24人がそれぞれ最後にどういう子かというのが鮮やかに見えてくるところもすごい。

・・・・・
これを大人の目、で読むと、中学生の時というのは、家庭がものすごく影響しているんだなあと改めて思う。
そこもそれぞれの家族が少しだけ描かれていて、少しだけなのに妙にその子がその子たる所以、みたいのも見えてくる。
家庭に小さな赤ちゃんがいるばかりにそれを思春期の思いで皆に隠そうとする女の子がいる。
また、豪勢な暮らしをしていたのにお父さんが破産して家が殺伐としている女の子もいる。
外人とのハーフでどうにも目立つ美しい容姿を持ち、それでも中学校になって初めて友達ができる女の子もいる。
福島から引っ越してきて給食をもりもり食べ過ぎる男の子もいる。
それぞれの家庭の事情が、それぞれの子に見事に反映しているのだ。

少しだけ物足りなく思うのは、もう私が大人になってしまったからだと思う。
もうちょっと深く一人ひとりを描いて欲しい、と思うのはないものねだりと知りながら、ふっとそう感じてしまったのだった。