2014年9月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4402ページ
ナイス数:232ナイス

今だけのあの子 (ミステリ・フロンティア)今だけのあの子 (ミステリ・フロンティア)感想
それぞれの心理描写が細かく描かれ、そこはかえると思います。ゆるやかに繫がっているこのミステリ連作集で、一番好きなのは、漫画家の話の願わない少女でした。冒頭と最後と照らし合わせると意外性がありどきどきしました。が、他作品は、私は後一歩だと思います。ずうっと読んでいると予測可能なラストなので、あと一歩のひねりが欲しい、というのが本音。でもそれぞれの話の繫がりに趣向(時が違うとか)が凝らされているのは楽しかったです。
読了日:9月30日 著者:芦沢央
妻の沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)妻の沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
夫婦が交互で語る、夫が叩けば埃が出る、というのでどうしたって「ゴーン・ガール」を思い出しますが、こちらは粛々と進んでいきます。途中でこの夫にめらめらと殺意が沸きました(これも作戦?)。女狂いの夫に沈黙していて徹底討論せず自分の生活を守ろうとする妻は、日本では多いのではないかと彼我の夫婦像の違いなども思いました。妻がセラピストなのでアドラー心理学が出てきて、夫婦の幼少期のことが話に絡んでくるところも面白かったです。(夫がかつて鬱だったというのが何度か出てくるのですが、ここが何だったのか・・・)
読了日:9月27日 著者:ASAハリスン,A.S.A.Harrison
クラスメイツ 〈後期〉クラスメイツ 〈後期〉感想
女の子部分より男の子部分の方が、(こういうことを考えていたのか!)という驚きがありました。この時期さらっと書かれているそれぞれの「家庭」がものすごく影響していると言うことも思いました。またこの時期の大問題って、こういうことだったんだなあと懐かしく思い出しました。やたら水泳部に誘う先生もいいなあ。 ただ、私は大人なので、あと一歩深く書いて欲しかったような気も。(この話の中で、私はさりげなくちっこいりっくんが大好き)
読了日:9月26日 著者:森絵都
クラスメイツ 〈前期〉クラスメイツ 〈前期〉感想
読んだ後に24人のクラスメイツが全員浮かび上がってくるのがすごいと思いました。中学校一年生のあの不安定な時期の子供達の姿がくっきりと浮かび上がってきます。小学校高学年から中学生の時に、こういう小説があったら大喜びだったのになあ。後期(下巻)に続く。
読了日:9月26日 著者:森絵都
紙つなげ!  彼らが本の紙を造っている紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている感想
電車内で読んでいて涙が止まらなくなり困りました。最後の淡々とした記述、この本の紙が何の紙かというところにも号泣。この本を読むまで、本の紙が東北で作られていることすら知らなかったし、なぜ東北かというのも考えてもみませんでした。日本製紙の熱い男達の復興への物語でもあると同時に、美談ばかりが伝えられた震災の裏の過酷な話も伝わってきました。非常に辛い場面もありますが、読んで良かったと思うノンフィクションでした。この作者の本初めて読みますが、感情移入しすぎずにスタンスがとても好きです。紙つなげ!頑張れ!と改めて。
読了日:9月24日 著者:佐々涼子
逃げる幻 (創元推理文庫)逃げる幻 (創元推理文庫)感想
滅茶苦茶好みの話でした。堪能しました。「なぜ少年が何度も何かに怯えて脱走するのか」が核なのですが、あちこちに歴史・風景、スコットランドの特殊性にも広がっていきそこも楽しめます。推理小説としても伏線があちこちにちりばめられ、人間消失の謎(ここも大変面白い)、密室殺人の謎、このあたりも読ませるのですが。なんと言っても犯人像が驚きの展開を見せました。動機方法、全てが完璧。周りに配置された人間達の心理模様も克明で、時代性を非常にもうまく捉えてミステリにしていました。予備知識ゼロで読むことをお勧めします。
読了日:9月22日 著者:ヘレン・マクロイ
いなくなれ、群青 (新潮文庫)いなくなれ、群青 (新潮文庫)
読了日:9月22日 著者:河野裕
バルテュスの優雅な生活 (とんぼの本)バルテュスの優雅な生活 (とんぼの本)感想
少し前に開催していたバルテュス展とからめて読みました(写真展も拝見しました)。少女を生涯追い続け画布に閉じ込めようとしたバルテュス。その一生と作品群をわかりやすく解説してくれています。毀誉褒貶があったのは作品を見れば大変わかります。でもどうしようもなく惹きつけられる彼の作品群に圧倒されました。最後の日本人夫人の節子さんの回想も鮮やかで、死して尚色褪せない画家の魂のようなものまで感じ取れました。「絵を描くことは、祈りのようなものだ」と言うバルテュスの言葉がじんわりきます。
読了日:9月11日 著者:節子・クロソフスカ・ド・ローラ,夏目典子
マウス (講談社文庫)マウス (講談社文庫)
読了日:9月11日 著者:村田沙耶香
あいにくの雨で (集英社文庫)あいにくの雨で (集英社文庫)感想
読みにくかったです・・・・まず名前が読み辛いし、次に話の中の一つの柱の高校生の生徒会闘争があまりに荒唐無稽でそこに乗るのに時間がかかりました。が、一旦乗ってしまうと、あれよあれよと言う間に驚愕の結末に持っていかれました。読みにくかったし、キャラクターにも特に肩入れはしていないけれど、それでも私は好きです、この暗黒青春ミステリ。手加減がない、非情、という言葉が頭をよぎりました。
読了日:9月11日 著者:麻耶雄嵩
二日酔い主義傑作選 銀座の花売り娘 (文春文庫)二日酔い主義傑作選 銀座の花売り娘 (文春文庫)感想
若き日々の伊集院静のエッセイ傑作選。じわじわとこのシリーズ読み進めてはいるのですが、完読には至っていないのでまずは傑作選を。帯にもある通り、飲む、打つ、書くの三拍子揃った生活が綴られています、実に率直なタッチで。ある種自虐的でもあるのですが、遠くでそんな自分を見下ろしている自分、というのを感じました。弟さんの話は他のエッセイでも読んでいるので知っていましたが、何度読んでも泣けます。こういう形の別れは後悔ばかりが残るのだろうなあと。
読了日:9月11日 著者:伊集院静
ハリー・クバート事件 下ハリー・クバート事件 下感想
ごめんなさい、微妙・・かなあ。意外性はあるし、読みやすいんだけど、主人公マーカスにまず肩入れできず。更にはハリーに全く入れ込めず(村の人達の気持ちがわかるくらいに)。魅力ある人物像というのが見えませんでした。更には、ノラの実像に焦点を当てていればまだしも(そうタイプのミステリってあるし)、ハリーの葛藤に狙いがあればそれはそれだし、なんとなくぼやけてるんです、全体が。ちょっと長いかなあ・・・。ツインピークスを知ってる人は必ずそこを思うだろうけれども、それとはまた違う趣だし。いい意味でも悪い意味でもエンタメ。
読了日:9月9日 著者:ジョエル・ディケール
ハリー・クバート事件 上ハリー・クバート事件 上感想
とても読みやすいです。さくさくさくさく・・・(下巻に続く)
読了日:9月9日 著者:ジョエル・ディケール
その女アレックス (文春文庫)その女アレックス (文春文庫)感想
ラストに、慟哭、と言う言葉が浮かんだ一冊、英国推理作家協会賞受賞作品。非常に面白く一気読みでした。一章、二章、三章と章ごとのラストで腰を抜かすほど驚いていました。いわゆるどんでん返しとは違うのですが、ラストまで読んでもう一度最初に戻るとまた違った読み方が出来ます。一切の情報を遮断して読んだ方が吉かなあ。警察内部の人達もとてもユニークキャラクターではまりこみました(私は、倹約家のアルマンが大好きです)。是非、このシリーズの1を出して欲しいです。
読了日:9月6日 著者:ピエールルメートル

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