2014.10.03 豆の上で眠る
豆の上で眠る豆の上で眠る
(2014/03/28)
湊 かなえ

商品詳細を見る


評価 4.4

豆の上で眠るお姫様・・・童話をベースにした「違和感」(童話では豆、この話では姉)というのがテーマだ。
(また豆は、姉が小さいときに起こした事故で目の脇に豆のような跡ができてしまった、と言うモチーフにもなっている。)

かつてお話を読んでくれるくらいに聡明で可愛らしいお姉さんがいた。
お姉さんがある日誘拐されたらしい。
警察も近所の人も総動員で探してくれるが一向に見つからない。
そして2年が過ぎ、ある日突然記憶喪失になったお姉さんが帰ってきた。
ところが妹はこのお姉さんが、違った人物と感じられる・・・
この違和感は何なのか・・・・


現在と過去が入り混じっているが、そこがまずなんだか読みにくい。
疑いを持っている現在の自分、そしてそこに現れる姉ともう一人の人物。
どこからどこまでが現在なのか過去なのか、ふっとわからなくなる部分があるのだ。
またお姉さんの捜索の場面が長いのでちょっとそこで飽きた、ここがもうちょっときゅっと短くなっていれば・・・・。

真相、がすっきりしない。
なるほど、と思いつつも、納得できないのだ。
ずうっと家族の中で違和感を感じ続け、しかも姉の捜索に加わり、母からはなんだか邪険にされていた妹が可哀想でならなかった。
妹が邪険にされていた理由はあるのだろうか?
この母親は一体なんだろう?あと父親も。

以下ネタバレ
・帰ってきた姉は本当の姉であった。
が、その姉は最初からこの家にいた姉ではなく、別の場所で暮らしていた(意図的に産院で取り違えた)女性だったのだ。
最初がそもそも違った姉だった。
誘拐は、その本当の姉を育てていた人が企て、自分のところで育てていた。
そして返した。
両親は話し合いでこのことを知っていた。

・一番解せなかったのは、
姉としてこの家にいた万佑子は、誘拐され、自分の生い立ちを聞かされ実母と会ったとしても、そこにとどまるだろうか、ということだ。
育ててくれた自分の両親に対する思い、妹への思いってなかったのだろうか。
何より自分の今までの暮らしを捨てるという気持ちになったのだろうか、この年齢で。

・またこのことを受け入れた両親というのはいかがなものか。
育てた自分の子供への思い(かつての万佑子)はなかったのだろうか。
そんなすぐに新しい子供を受け入れ、自分の子供として育てられるものなのか、妹に嘘をついてまで。