イノセント・デイズイノセント・デイズ
(2014/08/22)
早見 和真

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評価 4.5

一気に読ませる話だ。
ページを読む手が止まらない。
最初の場面で既に田中幸乃と言う女性の死刑執行の日、から始まっていくのだ。
整形シンデレラ放火事件と呼ばれた事件は、自分の元恋人が結婚し幸せな家庭を築き双子の子供までもうけているところに放火してしまう、という事件だった・・・・

この話、冤罪とか報道のあり方とか、そこに重点を当てて読む、というそういう見方もできるだろう。
そして確かにそこは十分すぎるほど描かれている。
その中で、彼女を信じる一人の人間がいるということもまた盛り込まれている。

私が面白いと思ったのは、一人の人間の内面というのは外側からは計り知れないということだった。
そしてまた、数々の人の話や証言から、彼女の人生がいかにして作られてきたか、悲惨な生活からいかに放火した相手を愛するようになったのか、までが見事に焙り出されているところだった。

実母の生い立ち、
幸乃に対するいじめと壮絶な虐待、
激しい発作を伴う生涯にわたっての持病、
そして唯一で来た友達との間の何物かを得るためにしたこと、
そして求めてやまない愛。
溢れるような幸乃の思いがこちらに伝わってきたのだった。

・・・・・・
と言う意味では読ませるのだが。
一方で非常にやるせない気持ちにラスト襲われる。
なぜ、もう少し、と歯噛みしたい気持ちになる(というところで小説として成功なのかもしれないが)

ただ、エピソード的にこれは入れるものなのか、というのがよくわからないものがあった。
整形というのは入れる必要があったのだろうか。
また最後の真犯人の驚きが私にはいまひとつだった。
突然、という感じが否めなかったのだ。
特に→ここに宗教問題がからんでくるところに、これもまた突然感が漂っている感じがしたのだった。