ほんとうの花を見せにきたほんとうの花を見せにきた
(2014/09/26)
桜庭 一樹

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評価 3.9

竹から生まれた吸血鬼バンブー。
中国で生まれたらしい。
最初の話は、この吸血鬼バンブーが悲惨な戦いから救った人間の子供を育てていく、と言う話だ。
しかもムスタァと洋次(二人の吸血鬼)は、二人でこの人間の子供を育てていく・・・

本来は人間と関わってはダメだ、吸血鬼の集まりなんかを見せたらダメだ、と禁忌がたくさんあるのに、そこをいともたやすく破ってしまうのは、戦争で見捨てられた幼子があまりにいたいけなかったからだ。
そして奇妙な同居生活が始まっていく・・・子供はすくすくと育っていく、自分の環境に疑問を持たないまま・・・

多分(入り込めなかったので、多分)人間と吸血鬼の友情と、そして更なる愛情の物語だろう。
育った人間が、かつての記憶をなくしているという部分はちょっと物悲しい。
そして戻っていく場所、そこが元の場所だったというのも人間の性(さが)を描いているようで、そこも哀しい。

この吸血鬼二人が、三浦しをんのまほろ駅前シリーズの多田と行天をちょっと想起させた。
限りなく、ゲ・方向の匂いがしたのだ、いかに吸血鬼であろうとも。

・・・
なのだが、結果的には私にはこの小説、合わなかった・・・
吸血鬼物好きなだけに、これに飛びついたのだが、話の荒唐無稽さについていけない。
読んでいて楽しめない自分がいたのだった。