2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5374ページ
ナイス数:325ナイス

もう年はとれない (創元推理文庫)もう年はとれない (創元推理文庫)感想
87歳の元刑事、ナチスが出てくる話、で一気に暗い話っぽく思われそうですが、どうしてどうして。途中で何度も笑いました、そして主人公バック・シャッツに惚れました、かつて捕虜収容所のナチス将校に殺されかけたシャッツ元刑事は金の延べ棒を探しに行くのです、孫とともに。人を殴れば自分の手が痛くなり、転ばないように注意し、老人施設では明日はわが身と考え、GPSもわからず、それでも勇敢に立ち向かっていくシャッツの姿に頭が下がります。そして最大限に老人と言う立場を生かして捜査していくところと、彼の放つ痛烈な皮肉ににやり。
読了日:11月25日 著者:ダニエル・フリードマン
窓辺の老人 (キャンピオン氏の事件簿1) (創元推理文庫)窓辺の老人 (キャンピオン氏の事件簿1) (創元推理文庫)感想
とても読みやすく、そして好きな短編集でした。草食系男子のような(特異な探偵像ではない)探偵キャンピオンが次々に事件を解決していきます。ボーダーライン事件は、不可能犯罪なのですが、その真相が最初の方から語られているあることが関係しているところと、女性の証言との絡みが絶妙だと思いました。表題作は伝説の老人をめぐっての社交クラブの人達のやり取りが秀逸で、真相もなるほどなあ・・・と思いました。行動の意味は、ミュージックホールからいきなりスケールが大きくなるところが好き。あと犬の日、も奇妙な味わいで大大好き。
読了日:11月25日 著者:マージェリー・アリンガム
あなたの本当の人生はあなたの本当の人生は感想
かつての大作家ホリー、秘書宇城、編集者鏡味、作家修行中の國崎、とそれぞれの語りで進行します(章の最初に小さな絵があるのでそれで誰かがすぐわかると言う仕掛け)。あなたの本当の人生は、と何度も問いかけられる人達、自問自答する人達。それぞれがもう一つの人生が確実にあり、でも今現在目の前の人生も確実にあり、というところを説教臭くなく物語の中に巧く取り込んだ小説だと思いました。暗躍する猫のチャーチルとか、瞑想部屋のような白い部屋とか、浮世離れしているホリーの元夫とか、コロッケとか、印象的な場面が多かったかな。
読了日:11月18日 著者:大島真寿美
離陸離陸感想
非常に面白く読みました。もしこれが作者名が伏せてあって出されたら、絶対にこの作者だとは思わないでしょう。ミステリではないので、ラスト謎が全てはとかれてないのですが、そういうことよりも純粋に物語として最初から最後まで楽しめました。後半一種幻想っぽい迷宮に入り込んでいくのもとても好み。離陸、この二文字の言葉がずっしりと最後心に響きます。離陸は、死のメタファーですが、実際の飛行場の場面が離陸そのものもですがその前後のことを細かく描いているところも実に巧みでした。サトーサトーの辿った軌跡を一緒に辿りました、私も。
読了日:11月18日 著者:絲山秋子
ほんとうの花を見せにきたほんとうの花を見せにきた
読了日:11月18日 著者:桜庭一樹
連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)感想
それぞれの作品に対する作家さんの言葉が最初にあり(これにも大喜び)、収録作品も再読に耐えるミステリというのはこういうことなんだなあと改めて感じ入りました。思っていたのと違った方向に進む醍醐味、くるっと反転する謎の数々。どの作品も極上なのですが、依子の日記の後半のある部分からの疾風怒濤のような展開、エスくんへの手紙で見ていたものがずれていた驚きなど、改めて感動。私の好みは桔梗の宿で、なんだか切なくて泣けるんです、ラスト驚きながらも。綾辻伊坂対談もあり、豪華な一冊。第二弾もぜひぜひ出していただきたいものです。
読了日:11月15日 著者:連城三紀彦
ずっとあなたが好きでしたずっとあなたが好きでした感想
最後でタイトルに納得!色々な年代、色々な国内外の場所の恋愛ミステリ連作小説集だったはずが・・・・。この中で、舞姫(鴎外を意識したタイトル)のラストにやられました、こういうことか!幻の女もアイリッシュを当然下敷きにしていて面白いつくりになっていると思います。私は、全体の大掛かりな仕掛け、実はわかってしまったのですが、途中で(謎はあったものの)、それなりに楽しめました。ただ・・・正直ちょっと長いかなあ・・・一つ一つの話が。そうだそうだ、裏表紙の絵、見てると楽しいです~(それぞれの話に関係あり)
読了日:11月14日 著者:歌野晶午
読書狂の冒険は終わらない! (集英社新書)読書狂の冒険は終わらない! (集英社新書)感想
面白かったです。三上さんはビブリア~作者なので知っていましたが倉田さんは知らずに申し訳ありません。溢れ出る蔵書、書店の理想像というような話も読み応えがあったのですが、やはり具体的な書名の出てくる話に私は惹かれました。二人の丁々発止のやり取りが楽しく、特にモダンホラーへの熱い思いの部分で、キングのところが非常に興味深く読みました。こういう読み方があったのかと。また山田風太郎、横溝正史のあたりも読んでいて良かったです。是非第二弾を出して欲しいです。今度の本には、お二人の(特に倉田さんの)家の蔵書の写真入りで!
読了日:11月13日 著者:三上延,倉田英之
出版禁止出版禁止感想
ミステリではなくホラーなのでは・・・とちょっと思いました。ルポのラストあたりの妄想部分が心の中で落ちませんでした。アナグラムとか仕掛けが多いので、そちらに目がいきますが。
読了日:11月11日 著者:長江俊和
処刑までの十章処刑までの十章感想
特殊な午前5時61分と言う時刻の書き方。これだけでも話になるのですが、プラス、夫の失踪、弟との心の揺らぎ、会社の横領事件、謎の絵葉書・・・要素が多すぎ、謎が謎を呼ぶのにそのカタルシスがちょっと少ないかなあ・・と思いました、正直なところ。あるところで私は非常に驚き、(ああ・・連城マジック健在なり!)とは思ったし、叙情的なところも大好きなのですが、作品全体から見ると実に惜しいと思いました、ラストとかは特に駆け足なのでそこも惜しかったし。闘病中ということもあったしと、改めてこの才能を失ったのを哀しく思いました。
読了日:11月11日 著者:連城三紀彦
悪童日記 (ハヤカワepi文庫)悪童日記 (ハヤカワepi文庫)感想
映画を見たので(映画も良かったです)何度目かに読み返してみました。章ごとの短さ、文章の短さ、声高に戦争反対を叫んでいないのに、これだけの力がある作品というのを改めて感じました。愛してくれない祖母のところに預けられ、戦時下にたくましくなっていく双子、お互いを叩き合って志気を高めようとする双子、盗んだ爆弾で思いもかけないことをする双子、迎えに来た母と再会する双子、父とも再会する双子。ラストシーンが忘れられません、特に。あとの二作も勿論ですが作者の「文盲」を読むとこの作品の深みが増すと思います。
読了日:11月11日 著者:アゴタクリストフ
推定無罪〈下〉 (文春文庫)推定無罪〈下〉 (文春文庫)感想
法廷シーンが独特で面白かったです。私はサビッチを全くダメ男、と思っていません。用意周到にトゥローがそういう風に上巻で思わせ、下巻で犯人像を出した時にはじめて、(ああ・・・だからサビッチはこういう恋をしてしまったのか!)と私は納得できたのです。そしてサビッチの誰にもいえなかった孤独と恐怖(もあったと思う)とそして可愛い子供も巻き込んでのがんじがらめの結婚生活に思いを馳せました。裁判の後ろに蠢く人間関係の罠、登場人物全員の隠し事、強烈なサスペンス感、と目が離せませんでした。
読了日:11月6日 著者:スコットトゥロー
推定無罪〈上〉 (文春文庫)推定無罪〈上〉 (文春文庫)感想
我ながら惜しかったです、初めて読みましたが、映画を見ていたので。妻子持ちの検事サビッチが殺された被害者と関係があった、しかも熱烈に恋をしていた、一見見るといかにダメかというのをこの上巻で見事に読者に投げかけているのを、はっしと受け止めて下巻へ。
読了日:11月6日 著者:スコットトゥロー
心臓に毛が生えている理由 (角川文庫)心臓に毛が生えている理由 (角川文庫)感想
何度読んでも面白い、エッセイ集。本当にお亡くなりになられたのが残念でたまりません。ロシアで死刑がなかったのでフランスのギロチンに驚いていた話、日本でのプラスチックの皿考、ゴンチャロフの平凡物語から始まるコーヒー物語、と話は尽きません。有名な物語、作家の話も折々にはいってくるのでそこもまた絶妙に本好きの心をくすぐるのです。
読了日:11月6日 著者:米原万里
恩田陸選 スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎003 (講談社文庫)恩田陸選 スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎003 (講談社文庫)感想
自分が面白い、と思ったのが数年前と変わっているのが興味深かったです。今の私は佐野洋の「お互い恋人同士が死んだと思っている話」の話の持って行き方が非常に面白いと思いました、あとサービス精神全開の天藤真とちょっとえぐい戸川昌子このあたりが好みでした。ラストの恩田陸の解説の中で、これを読んで面白かったら次はこれを、という示唆がとても素晴らしいものでした。
読了日:11月6日 著者:佐野洋,仁木悦子,戸川昌子,天藤真,高橋克彦,馬場信浩,長井彬,阿刀田高

読書メーター