2014.12.08 デッドマン
デッドマン (角川文庫)デッドマン (角川文庫)
(2014/08/23)
河合 莞爾

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評価 4.9

発売当初読んでなかったが、読めばよかった、と思った。
ラストの方の驚きというのが巧いなあ・・・と素直に関心できたのだった。
横溝正史ミステリ大賞受賞。

冒頭は太字のなにやら日記のようなもの。
秘密の話らしい、ここからして想像をかきたてられる。
一体何があったのだろう、と。
一体これは誰なのだろう、と。

話は、体の一部がなくなっている猟奇殺人事件から始まる。
頭がない、胴体がない、右手がない、そしてさらには女性の片足がないというところまでの死体損壊の猟奇事件だ。
頭がないのはわかる、身元を特定されたくないから、と誰しも思うだろう。
しかし案外身元はすっと判明するのだ。
ところが次の胴体、で?となる。
なんで必要なんだろう?
そして体の一部が次々となくなっていく・・・・
ただの異常犯罪なのか、それとも何かの暗号なのか、意図があったことなのか。
右往左往する警察に、「デッドマン」からのメールが届く・・・


このミステリの秀逸なのは、間に出てくるつぎはぎのデッドマンの存在だ。
病院のようなところで記憶をなくして目覚める男。
なんだか体の具合がおかしい。
そして自分が死体をつぎはぎしたデッドマンだったということが次第にわかっていく・・・・
頭だけが残っていたのだ、と来てくれた女医が語ってくれるのだ。
そして、そこで見かけた一人の可憐な少女・・・・

何が本当で何が嘘なのか。
混乱する警察。
そして、このミステリはある既存の日本のミステリを絶対と言わないが読んでおいて方が楽しめると思う。

・・・
邪悪な意図が陰に隠されていたミステリだった。
そして一見警察ミステリで魅力的で個性的な面々も揃っている。
その面も大きくあるのだが、ラストの驚きの真相に唸ったのだった。
次作品、是非読んでみたい(これを読んだのが今、で作者を知ったのも今、なので多分出ているだろう)

・・・・・
以下ネタバレ
・デッドマンが本当にあるかも、と思わせてしまう昨今の科学事情もある。
ips細胞とかでもしかしてくっつくのかも手足が、とか文中に出てくる猿の実験などでも(本当かも?デッドマン?)と思わせてしまう力技がすごい。

・かつての精神外科手術ロボトミーでの手術失敗をひた隠しにする人達への断罪であった。
彼らの孫に危害は加えられている。
さらには、この人達の頂点で手術をまさに失敗した医師の張本人は今政府の野田長官になっている。
自分の母親を犯して自分を作った野田に恨みを持っていた養護施設で育った高坂紫苑。
彼女こそが、デッドマンと言い聞かせた女性であった。

勿論真相はデッドマンはそうではなく、そう思い込ませるための殺人であった。
デッドマンになった男は元刑事であり、源田という人間であったが真相を突き止めそうになったため、危うく殺されかける。
しかし源田は妄想を持つようになっていったのだった、大量の薬物と心理捜査によって。
彼は老人養護施設にやってきたのだった。