○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)
(2014/09/04)
早坂 吝

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評価 4.9

なんていう作品か!!
下品だし、シモネタ満載だし、そもそも・・・(ネタに触れるので言えない)というところからして、もうあれだ。
なのに面白い。
途中で見えていたものが、あっとひっくり返るところにどきっとした。
そこまでわかっている話、と思っていたものの見え方が変わってくるのだ。
そしてずるくない。
最後まで読むと、え!とは思うのだが、すべてがそこまでに提示されているのだ。
だから全くずるい、とか、アンフェアだ、とか思わなかったのだ。
ただただ、やられた・・・と。

このタイトルに○が連なっているのは、「あることわざを入れるタイトル当てのミステリですよ」
と最初に作者が断っている。
ここからして曲者ではないか。
当然読者としては考える考える・・・・犬も歩けば棒に当たる・・・虎穴にいらずんば虎児を得ず・・・
そして章のタイトルもまたことわざになっている(だからそこにあることわざは当然表題にはならない)

・・・
この話、孤島物であり、仮面の男がいる、あまり知らない者同志が集まる、密室がある、そこで殺人事件が起こる、というように過去の孤島物ミステリの王道を行くようなミステリだ。
だが、孤島に行くまでが仔細に渡って長い。
長さも後から考えれば意味もあるのだが、ともかくも孤島にさくっと行かないで、船の中でのあれこれがある。

アウトドアのオフ会が毎年そのメンバー黒沼が所有し妻とともに住んでいる小笠原諸島の孤島で行われる。
お互い本名までは知らないと言う仲だ。
そこに参加しているのは、公務員の沖がいて、ひそかにメンバーの大学院生渚に好意を持っている。
が、気が弱くて言い出せない。
フリーライターの永瀬が勝手に連れてきた奔放な女子高生らいち、医者の浅川、弁護士の中条という女性たちが参加していくのだ・・・そんな中、島に着いた早々失踪に続き殺人事件が起こる・・・・



以下ネタバレ
頭隠して尻隠さずがタイトル。

仮面で頭を隠した黒沼と称する男も、ここはヌーディストの島というので、体は裸だった。
これが168ページで衝撃的にわかる。
アウトドアというのはヌーディストということも含まれていたのだ。
そして、沖がこの島に来て豹変するように人格が変わるのはこのせいだ。

そして、包茎であるかどうかというのが犯人当てのポイントとなる。
浅川と黒沼は入れ替わっていた、仮面をしているのでそれはわからない。
が、ここで沖が叫ぶ
お風呂で見たときに、浅川は包茎で黒川はそうではなかったと。
ところが、このあと浅川が医者は医者でもそちらの医者ということがわかり、自分で自分を手術した一晩でということがわかる。そして縫い合わせた跡が下半身に残っていたのだ(これで頭隠して尻隠さずが成り立つ)