私の命はあなたの命より軽い私の命はあなたの命より軽い
(2014/11/13)
近藤 史恵

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評価 4.4

もろもろの事情で実家に帰らざるを得ない妊婦がいる。
そこは実に普通の家庭であったはずだった。
ところが家に帰ってみると
優しかった母、働き者の父、そして年の離れて父に可愛がられたはずの妹が険悪な状態になっていた。
家族がお互いに嘘で塗り固められているようだ。
買ったばかりの家を売ろうとしているのはなぜか。
父が妹に辛く当たるのはなぜか。
一体何があったのだろう・・・・


途中まで何が起こったのかまったくわからない。
そのあたりはサスペンスフルだ。
自分が結婚して家を出て、普通の連絡を取っていて、遠さから多少の距離はあったものの、決定的な何か、がこの家族に起こったことは必至だ。
それを解き明かそうとする姉。
なんせ臨月近い妊婦なので身動きが鈍い。
読んでいてそこもまたはらはら感に拍車をかける。
そして真相がわかるのだが・・・

真相がもっともっと仰天するものだったら良かった。
これだと、予想範囲内でただこのことを家族が妊婦に隠していた話、と見えてしまうからだ。
あと真相がばれる過程が友達の話とかが多い。
妊婦で動き回れないからもあるだろうが、この辺が動きが少なくちょっと不満だった。
が!
面白かったのは、ラスト2ページだった。
ああ・・なんて真っ黒・・・・ここがあるのが非常に面白い。
タイトルの意味も途中でわかるのだが、その意味すらここでばっと関係してくるのだ。

以下ネタバレ
家族の秘密は
中学生の妹が男の子と関係して、妊娠して堕胎したこと。
そしてその男の子が、引っ越したばかりの家の庭で首吊り自殺をしたこと。
さらには妹の親友が、同じ高校に行って妹と間違えられ堕胎した娘の烙印を押され、自殺したこと。

このあたりで妹と父は険悪、家を売ろうにも首吊りの一軒があるので売れない、妹は精神的に参っているということになっている。
タイトルの私の命はあなたの命より軽いは、かたや子供を生める姉、生めなかった妹の差はなんだろうか、というもの。

・最後の2ページ。
妹はもしかして生めた姉に嫉妬してないか(と姉が考える)
そして、姉が助けた妹は、姉の近くのマンションに住み始める。
しかし姉の夫(つまり妹から見ると義兄)が妹と関係があるのではないか(と姉が考える)