2015.02.17 だから荒野
だから荒野だから荒野
(2013/10/08)
桐野 夏生

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評価 4.4

前半不謹慎にも大爆笑しながら読み進めていった。
なぜなら、夫があまりに馬鹿だから。
妻の誕生日になぜ妻に運転させる!
妻の誕生日になぜプレゼントを小さいものでもいいから用意しない!
妻の誕生日になぜレストランに文句をつける!
妻の誕生日のレストランをなぜ妻に決めさせる!

これだけでもかなりの馬鹿なのに、妻が出て行った後送ったメールがまた馬鹿だ。
この非常事態に積んであったゴルフクラブなんてどうでもいいじゃないか!

息子達は手に負えない、夫は理解がない。
そして自分は、といえば、子育ての後の隙間風が吹いている・・・・

・・・・
妻がぷいっと出て行って、そのまま帰らない。
夫はただただ右往左往していると思いきや案外普通の暮らしをしているように振舞っている。
妻の視点と夫の視点が交互に描かれていて、そこもリズムがあって小気味いい。
デフォルメされているので、実際にはないのだろうが、でももしかしてあるかも?と思わせるところが読んでいて面白かった。

後半長崎に辿りついたあたりからやや失速する感じがする。
ここ、もう一歩書き込んで欲しかった。
あと友達の再婚はどうなったのか。
車泥棒はあれで終わりなのか。
年金横領の人はこのままなのか。
次男の引きこもりが長崎に来たところ、いいなあ・・・と思ったが、この子また東京に戻って同じことが繰り返されるのではないか。
このあたりが、描きこんでほしいものだ、と思ったのだった。