2015.02.02 予告殺人
予告殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)予告殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
(2003/11/11)
アガサ・クリスティー

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評価 5

ミス・マープル物でも大好きな一冊だ。
何十年ぶりかに読み返してみた、ドラマを見たのをきっかけに。

小さな村で、ミニコミ紙のような新聞に「殺人が起こる時間と場所」が書いてある。
当然その時間に物見高い近所の人達がその家に押しかける。
当の家の人は誰も知らないと言っているが、とりあえず食事の容易はしている。
そこに来たピストルを持った男が殺される。
その一瞬の前、部屋が真っ暗になって女性たちが悲鳴を上げる・・・


なんで予告殺人を出して、そこで本当に殺人を起こしてしまったのだろう。
まずこの疑問が起こる。
そして誰がこれを出したのかは見当もつかない。
死んだ男はホテルの従業員だがミスマープルが偶然ある詐欺まがいのことをこの男がしているのを知っている、そしてホテルの他の従業員も知っている、彼が非常にずるいことを。

そうこうしている内に第二第三の殺人が起こる。
全ての殺人には意味がある。
でもこちら側から見ると全く意味がわからない。
共通項がないのだ。
このあたりも読ませるのだ。
小さな手がかり見逃せない。
うっかり屋の女性が話した色々なこともあとからわかって読むと、実にまずいことを話している、犯人にとって。
どうやって、停電を起こしたかというところもやり方が巧妙だ。

このミステリが面白いところは、後半、二つのひっくり返しがあるからだと思う。
それも思っても見なかったひっくり返しが。

以下ネタバレ
・遺産相続人は、ある大富豪の秘書レティシアだった。
大富豪→大富豪の奥さん→レティシア→大富豪の妹のソフィの双子の子供ピップとエンマ
これが相続の順番だ。
今にも大富豪の奥さんはしにかけている。
ということはレティシアをねらってピップとエンマが犯人だったのか。

と思わせておいて(そして憎いことにピップとエンマは実際にいるのだ、この場に)
レティシアそのものが、実は妹シャーロットだった、という入れ替わりの物語だったと言うこと。
ここが非常に面白い。
シャーロットは首を手術していて(甲状腺病気)、常に真珠のネックレスを首にしている。
これが似合わないあの洋服には、と本文中に何度も出てくるのがわかって読むと印象的だ。

・もう一つはピップとエンマ。
誰しもピップが男だと思っている。
だから、男を捜していた。
ところがエンマの口から(こちらは女でジュリアと名乗っている)、ピップは女性だ、そしてここにいる一人の女性だと指摘がある。

・うっかり屋の女性は、ドラ。
女学生時代一緒だったが、生活に困窮していたのでシャーロットが引き取る。
だが、当然レティシアと名乗っている意味を話さなければならないので、ドラは口止めされた上真実を知っている、そこにいるのはレティシアではなくシャーロットだと。
にもかかわらず、全く無邪気にロティと言ってしまったりするのだ、うっかりと(ロティはシャーロットの愛称)