倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。 (集英社オレンジ文庫)倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。 (集英社オレンジ文庫)
(2015/03/20)
久賀 理世

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評価 4.6

ぱらっと書店で見たときに、H・G・ウェルズとかホームズとかがあったので興味惹かれて読んでみた。
これは、外国のビブリア古書店のような話だ、そして読んでいてほのぼのと楽しい。

19世紀末のイギリスで侯爵の両親の不可解な殺人事件のために、安全を取って兄と妹と逃走する。
そしてロンドンから少し離れたところで身分を隠して古書店を営む。
兄は人に顔を知られているので裏でルリユールなどをして、妹は外で接客をする。
そこに兄の学生時代の貴族の後輩がやってくる・・・


辛辣なことを書けば、全く誰も貴族っぽくない。
でもそこがいいところで、貴族っぽくないゆえにこの話が海外の名前が多少あろうと、すらすらと入っていけるのだと思う。
これが、・・侯爵、・・・男爵、・・の侍従とか色々あって、言葉もそれっぽかったら、読者が着かないに違いない。
だから諸刃の剣なのだ、貴族っぽいかどうかって。

で、ビブリアであるから、謎が色々持ち込まれてくる。
それを解いていく中で、ウェルズとかホームズとか、ポー、果ては若草物語まで出てくる。
この中の若草物語のジョーの氷のシーンは、きちんとこの中の話と結びついていて非常に良かった(未必の故意)
あと自殺クラブ(スティーブンソン)の組み込み方も良かった、元本を知っているとまた格段に楽しい本だと思う、これは。

まだ両親の死の真相がわかっていないので、これからだろう。
二巻が楽しみだ。

以下ネタバレ
・この兄妹は血が繫がっている?
目の色が後半で取りざたされているが・・・・

・最後の話で、思い込みで人を殺す方法がとても良かった。
自分から血が流れて出ていると言う妄想。