グッド・ガール (小学館文庫 ク 7-1)グッド・ガール (小学館文庫 ク 7-1)
(2015/04/07)
メアリー・クビカ

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評価 4.3

監禁物ってはやってるのだろうか。
それとも、監禁物がたまたま訳されているのだろうか。
さくさくと読めるし、登場人物もなんせ少ないのでわかりやすいし状況が見えやすい。
現在と過去、そして人称も変わっていくのだがそれも全く抵抗がなく読める。
現在と過去が入り混じる中、ミアが監禁されていたが解放されているというところは初期の段階でわかってくる。
では監禁の間に何が起こったのだろう。
その前にこの監禁とは何だったのだろう。
男の思惑が見えず(監禁した)、なぜこのような過酷な状況の中ミアは監禁されることになったかと言うのが、見えてこないもどかしさがある。

アッパークラスの生活をしていたミア。
父親は判事で、優秀な姉がいて、優しい母がいてという家族状況の中
ミアはある男と出会って誘拐されてしまう。
優しそうな男はいきなり拳銃を突きつけてきて、ミアは監禁された・・・
そこで二人はぎりぎりの生活をし始める・・・


ミアが監禁されたあと解放され、そこで記憶喪失になっているという事実も比較的早くわかる。
一体何があったのだろう。

読んでいくうちにこの家の亀裂のようなものが見えてくる。
体面のみを気にする父の判事、ミアも決してグッドガールではなく、常に親の期待に背いてきた。
そしてミアの悪事を自分の保身のためもみ消してきたのも父だった。
母はそんな父の言いなりになっている、ミアを愛してはいるのだが・・・
そして姉は父の期待通りの人生を歩んでいる(この姉の姿がいまひとつ)
一見何事もない恵まれたと見える家庭があからさまになってくるところが面白い。
が、人物造型がちょっと類型的なのと、姉の姿が途中からあまり見えてこないし、途中から刑事と母親との関係というのも入ってくるが、これも必要なのか?物語に?

ミアの言葉で一箇所ふっと疑問に思ったことがあった。
でもそれは頭の中で打ち消したのだった。

そして、ラスト、驚きはしたのだが。

以下ネタバレ
・ミアが仕組んだ狂言誘拐だったというのがラストにわかる。
誘拐犯が心を鬼にしてボスに連れて行けば、普通のミアが仕組んだ誘拐になったわけだ。
が、誘拐犯がなまじミアを助けたばかりに・・・
途中でミアが言葉を出している、このボスの名前を。

このミアと誘拐犯の関係、後半で医者が言っている通りのストックホルム症候群と思っていたら、ミアが本当の愛情を持っていて、しかも妊娠して彼の子供を生むことになって、更に彼は銃撃戦で殺されて・・・

最後のあたりの締めがちょっと雑じゃないかなあと思ったりもした。