評価 4.6

語り手が高校生男子で、ひたすら「叔父さん」を尊敬し、彼の言うことに頷いている様が可愛い。
と同時に異常でもある。

自分の家に住んでいる居候のような叔父さん。
何でも屋をしている叔父さん。
温厚な叔父さん。
高校生男子が奇妙な謎を持ってくるたびに、静かに冷静に真相を語ってくれる叔父さん・・・


高校生の視点なのでその書き方も初々しい。
そして小さな田舎町、霧ヶ町で次々に起こる殺人事件・・・奇妙な謎、といっても全て殺人事件なのだ。
中身も決して簡単な殺人事件ではない。
それなのになんとなくほんわかしているのは、叔父さんの冷静な語りっぷりだ。
探偵が叔父さんで、助手が高校生という役回りになっているのだろう。
最初の二作品を読んで、(あ・・・)と思っていたら、最後の海で(あれ?)と思って、また次の作品で(もしや?)と心が揺れたのだった。

失くした御守/転校生と放火魔/最後の海/旧友/あかずの扉/藁をも掴む

以下ネタバレ
・どの話も、叔父さんが探偵役として出てきているのは共通している。
最初の二つを読んだときに、これは、叔父さんは探偵でもあるが犯人でもあるのか?と思ったものだった。
おじさんの語る話、なので、美談にもなんでもできる、まして聞いているのは信奉者の甥だ。
どう見たって、偶然助けてあげるとか、偶然傍にいたとか色々言っているが、叔父さんが犯人ではないか。

と思っていたら、最後の海で完全に叔父さんは圏外で、叔父さんが探偵なんだということなのだった。