評価 5

ものすごく久しぶりに読んだけれど、やっぱり面白い。
本好きの人にはたまらない本だと思う。
この本の中であげられている本も魅力的だし、何より冒頭の話で最初に語られる三月は深き紅の淵を(タイトルにこれを持ってきたというセンスの良さ!そしてこのタイトル自体のセンスの良さ!)、という稀こう本。
十年以上探しても見つからない本のまた面白そうなことと言ったらどうだろう。

それぞれ4つの話があり、ゆるく繫がっている、この物語で。
それは、書かれてもいました、まだ書き始めるところでした、存在はあります、いいえありません、どの説をとってもこれというう正解がない。
まさに物語の中の物語と言った感じだ。
読んでいると森の中にまたもう一つの森を見つけて、またその中に小さな森を見つけて・・・というようにぐいぐいひきつけてくれる。
最後の話に理瀬が出てくるのも非常に懐かしい!(ついでに憂理も懐かしい!)
麦の海に沈む果実を読みたくなった、また。

まだこの時点では、名作の黒と茶の幻想が書かれていなかった。
そんなことを思いながら読んでみるとまた別の楽しみがある。