評価 5

俳優の手さすび、と思って申し訳ない。
週刊文春でも光っていたけれど、こうして一冊にまとまると実に面白い。
単純に本の感想、だけではなく、これって立派なエッセイになっているからだ。

当然老いを見つめている。
電車の中で二回連続席を譲られら他自分を客観視し苦笑しつつも、それでも老いを受け止めていきそれをはねのけていく。
気負いがないし、あと自己主張の私が私が、もない。
楽しんで読んでいる、というのがこちらに伝わってくるので、読んでいてとても心地よいのだった。

池澤夏樹の本が好きだなあ・・・と思っていたら(割合問答無用で買って読んでいる)、最後の解説が彼だった、そうだろうそうだろう・・・。
あと面白いと思ったのは、俳優なのでその視点があることだ。
こういう訳でこういう役をやった、その訳はやりやすかった、とか
シェイクスピアと色川武大との絡んだ話とか
それは深いのだ。