2015.05.25 岩窟姫


評価 4.4

芸能界の話なので、どうしたってだれかれを思ったりする。
そういうこととは別にして、そしてこれが虚構の物語だとしても、もしかしてあるかも・・・と思わせる芸能界の怖さがあるところがミソだろう。
これがもし普通の企業の話だとかだったら、納得する部分が少ないに違いない。
特殊な芸能界だからこそ、の話。

蓮美(れみ)はグラビアアイドルだった。
それはもう皆に注目されていて人生の絶頂とも言うべき日々を多忙に過ごしていた。
ところが、彼女の同じ事務所のもっと売れている清純派のタレントの友達が飛び降り自殺する。
そして残された彼女のブログには友人だと思っていた蓮美への罵詈雑言があった。
このせいで蓮美は仕事を干され、世間の嘲笑の的になる。
しかし蓮美は心当たりがない・・・・そして真相を突き止めに引きこもりから脱出するのだった・・・


それはさくさくさくさく読みやすい。
芸能界で暮らしていて、一般的なことを何も知らない蓮美。
仲間が出来ないかと思ったら、一人昔のタレント仲間が手を貸してくれることになった。
そこから、死んだ友達の交友関係を調べたり、北海道の実家に行ったり探偵もどきをし始める。

前とはうってかわって太りまくったアイドルということで誰にも気づかれない蓮美がいる。
この話、前半は蓮美の動揺と芸能界の転んでもただではおきないみたいなところを描き出しているけれども、後半一気に真相に近づいていく。
蓮美が割合好感が持てるので、ぐいぐい読めるのだろう。

最後驚いたのだった、こういうことだったのかと。
数字の使い方が非常に面白い。
ただ・・・後半ばたばたばたっと閉じていく感じがしてそこがちょっと惜しかった。

以下ネタバレ
死んだと思われていたアイドルタレントは死んでいなかった。
しかし身体が半身不自由になっていた。
彼女が偽の日記の後ろに託したものは、数字と人の名前だったが、その数字は大会社の郵便番号だった。
そこの人達に売春をさせられていたのだった、蓮美のいるタレント事務所は売春組織でもあったのだ。