2015.06.14 霊応ゲーム


評価 4.4

前半は非常に面白い。
まるでハリーポッターの世界のようだ。

イギリスの名門パブリックスクール、そこでの14歳の少年達の友情と葛藤がある。
そこにはいじめもあるし(結構壮絶)、寮生活は必須だし、怖い先生はいるし、と気の弱い名門でもなんでもない普通の少年ジョナサンには耐え難い場所だった。
ジョナサンには愛する父がいて彼はなんとかジョナサンに身を立てて欲しかったので、無理をして公立の小学校からパブリックスクールに入学させる。
ジョナサンは数少ない友達3人と仲良くはなるが、いじめのターゲットにはされる、それは同級生からも意地悪な先生からも。


ジョナサンが自分の家庭の苦悩(父親が再婚して以来、どうもジョナサンと疎遠になりつつある)を語れる相手がいる(ニコラス・スコットという眼鏡のこれまた弱い生徒)というのはなんて幸せなことなんだろう。
だから、リチャードという孤高を守る生徒と関わりができるまでは、いじめられてはいたのだが、ジョナサンの居場所はあったのだ、この学校に。

リチャード。
非常に優秀で何事にも物怖じしない怖いもの知らずだが、友達は一人もいなかった。
それは彼が全てを拒絶していたからだ。
ある日ラテン語の教科書を忘れたジョナサンがリチャードに見せてもらった時以来、二人には親密な雰囲気が漂う・・・

リチャードと初めての友情を育むジョナサン。
二人で笑いあったり、ジョナサンの家に招待されジョナサンの家庭の一端を知ったり、二人の新密度はぐっと増していく。
と同時に、前からの友達との間は切れていくのだ・・・
このあたりの描写が見事だ。
中学生ぐらいの友情のはかなさとか移ろいやすさとかが克明に描き出されている。

が、一方でリチャードの不可解な行動も目に付くようになる。
じっと先生を見つめる目、先生を追い詰める目、更に、いじめっ子達が次々にひどい目にあっていく・・・・
そして先生達も校長を始め、何事かに巻き込まれていく・・・

・・・・・
読ませるのだが、途中から、やや私の思っていた感じの話とずれてきたような気がした。
これってそういう話なのか。
一人ひとりの心理描写は素晴らしい、どの人も先生に至るまで手に取るようにその状況がわかるのだ。
少年の扱いづらい心とか思春期の話とかそういうものの葛藤とかジレンマとか。
ある男子生徒(リチャード)が別の男子生徒を(ジョナサン)庇っているうちにそれが執着になり、少年でありながら恋のような気持ちに変貌して行って。
友情と狂気の境目。
尊敬しているものが、一瞬にして恐怖の存在になりえる(ジョナサンがリチャードをそう見たように)ある瞬間。
そしてそういう話だと思っていた、そしてその側面もあるのだが、
まさか。

以下ネタバレ

・まさか霊関係の話であるとは。
これって超常現象とかそういうことなのか、全てが?
こっくりさんのようなことをしたので、全てが起こったのか?
面倒な人は全て死ぬか不倶者になるか気が違うかって・・・・どうなんだろう。

あとリチャードの祖母が頭がおかしかった、というのはわかる、子供を殺そうとまでした狂気を孕んでいた女だから(この場合の子供はリチャードの母親、そしてリチャードの母親も後に自殺する)。
そしてそれが隔世遺伝で、リチャードに遺伝したとジョナサンが思うのもわかる。
が、だからといって、最後のジョナサンの殺人はリチャードは出来るだろうが、他の人はどうやったんだろうか。
特に父親の再婚相手の死はどうやったのか?
これが霊応ゲームで望んだことなのか。

ひき逃げを夫婦で隠したラテン語教師ヘンリー・アッカリーの家に届いた手紙は誰が書いたのか?
電話は誰か?(リチャードならなぜ知っている?興信所とか?)
校長先生のところに校長が奥さんの従姉妹と不倫していたという手紙を書いたのはリチャードだろう、ここは想像がつく(二人が一緒にいるところをじいっと観察していたわけだから)

・・・・・・・・・・・・
だから・・・・
理で説明できるところもあるが、説明できないところもある。
できないところは、この大枠で成長したニコラスが語っているように、信じられない出来事だったのだ