2015.07.16 火花


評価 4.2

著者が有名人であるということがマイナスに作用するのか、プラスに作用するのか、とまず最初に読み終わって思ったのだった。
内容が、「先輩芸人を見ている後輩の芸人の話」なので、どうしても作者本人の姿とか佇まいが頭の中に浮かぶ。
これが全く別の世界の話だったら、ちょっとは違う気もするけれど・・・

お笑いの世界で先輩後輩の関係の二人がいた。
先輩があほんだらというコンビの一人神谷。
後輩がスパークスというコンビの一人徳永。
二組は色々なお笑いのライブの場で出会っていくだけではなく、
神谷と徳永は個人的にも二人の関係を深めていく・・・・


神谷の破壊的な生き方とか芸風と徳永のある意味芸人としては真っ当すぎるくらいの真っ当な生き方との対比がよく描かれていたと思う。
そして芸人がランク付けされるという辛さもこちらに伝わってきたのだった。

ただ・・・笑いの部分が私にはもう全くわからなかった。特に神谷部分が。
どこからどう手をつけていいのか、と思うくらいに、小さな笑いも(多分笑うところだろう)大きな笑いもわからなかったし、ラストの部分なんか、これは笑っていいものやら、どうしたものやら、という思いでいっぱいだった。
だから突っ込みも笑えないのだ。
普段お笑いが好きなだけにそこが無念でならない。
後半のお笑いライブのところも、なんだかこれでいいのか、と思うくらいにへえーという感じだ。
あと、コンビでやっているものだから、それぞれの相方とのやり取りって薄くないだろうか。
特にあほんだら、の方の神谷の相方は薄すぎる。
神谷と言う人間の魅力というのがあまり見えてこなかったというのが正直なところだ。
これを読む限りでは、単にお笑いを目指している自意識過剰の変人としか見えない。
関西弁があまりに長すぎて、そこも読みがたかった、私には。

以下ネタバレ
ラスト、徳永は自分にシリコンの胸をつける・・・ここ笑っていいのか。
笑って欲しい場所なのか。