評価 5

これを読んだ後、ダッシュして太陽は動かないを買いに走った・・・・
前作らしいがこれを読まないで森は知っている、にいったという・・・・でもこれ単体でもきっと楽しめる、私は少なくとも楽しめたのだから。
それだけ面白かったのだ、森は知っている、が。

ある特殊な機関にいる鷹野という男の子供時代の話だ。
子供時代の話もあるし、ザッツ青春という青春物語でもある、そこにはほろ苦いあるひとつのことが横たわってはいるのだが・・・。

なんて夏に読むのにふさわしい話なんだろう。
最初の場面からぐっと惹き付けられる、男の子三人で女性の着替えの覗きなんて!(悪質ではなく可愛らしい覗きなのだ)
しかもその中に障害児がいる、ここできっちり障害児もなんの違和感もなくこのいたずら三人組に入れてもらえているのだ。
それは、鷹野の親友の柳、そして障害児は柳の弟ということがわかる。
そしてこの舞台になっているのが南蘭島という南の島であって、一見のんびり青い空と青い海ののんびりした光景が広がっている。
ところが、鷹野も柳もある一つの任務を負っている、というところから非常に話が面白くなってくる。

鷹野がこのような組織に属することになる幼少時の強烈な出来事。
そしてそれから救い出し、彼を見守っていた風間と女性の富美子さん。
壮絶すぎる鷹野の過去が心に突き刺さる。
更に、柳との友情、また学校でのほのかな恋、と青春物語にふさわしいある種の甘酸っぱい場面もある。
けれど、本質は、ある戦いでもあるのだ。
後半の二転三転の行き詰るような動きも読ませる。

この話の後、が、太陽は動かないらしいので、是非鷹野の成長した姿を見て見たい。

以下ネタバレ
・鷹野は小さい時に、弟と二人母親にマンションに閉じ込められ、餓死寸前だった。
手の中の弟は餓死してしまった。

心に傷を負った鷹野。
死んだことにして、某組織の中で18歳になると心臓に爆弾を仕掛けられ、企業同士、国家ぐるみの経済の戦争に出され、そこでスパイになる運命にあった。

・柳が最初裏切り者と思っていたが実は徳永が裏で全ての糸を引いていた。