2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4465ページ
ナイス数:324ナイス

BABELBABEL感想
復讐代行業者の話、なので決して明るくはなく、連作それぞれが何かしらの復讐の種、のようなものがあります。でも面白い、と思いました。なぜなら一つの話が、最初私が思った方向から違う方向にいくからです、最初の展望室占拠の話だったら、犯人がなぜそうしたかというところから電話の相手先の話まで、深夜バスのナイトジャーニーだったら、うっかりある人に心寄せていたら実は・・の話まで、そしてグラスタンクの驚きと言ったら(動機も展開も驚いた)!ただ、ラストの話が最初に結びつくのですが、ここがちょっと粗いと思いました、惜しい。
読了日:7月31日 著者:日野草
花のベッドでひるねして花のベッドでひるねして感想
ちょっと離れていたばなな作品。スピリチュアル傾向と思い込み(と見えた)があまりに合わなくなったので離れたのですが、この作品も色濃くスピリチュアルなところが散見されました。なぜかこの本は私の心にフィット。海から拾われた、という荒唐無稽な設定も、超能力を持っていたおじいちゃんの設定も、また考えられないくらい美しい村の光景の設定も全て受け入れられました、私の心のありようなのかわかりませんが。言葉の色々なところでなるほどなあと思いましたが、特に「違うこと」についての話は、忘れないと思います。
読了日:7月31日 著者:よしもとばなな
ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ)ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ)感想
多重解決物(多すぎるほど多い解答が出てくる)で、しかも外側が実に奇妙な枠組みでがっちりと固められたミステリでした。多分ぱっくり分かれると思います、好き嫌いが。私は大好きです。一つの解答が出た時、その前のテキストを読み直すと、(あーそうかも!)と一旦思います。でも次のテキストを見てあれ?そして又次の解答で(あーそうかも!)、この繰り返しがおおいに楽しめました。本格あるあるをちょっと弄りながら、バカミスの要素もふりかけ程度にかけ、読んでいてこちらもミステリーリーグに参戦しているような気持ちになりました。
読了日:7月26日 著者:深水黎一郎
本質を見通す100の講義本質を見通す100の講義感想
初めてこのシリーズ知りました。皆が言葉にしないけれど思っていることを言葉にするって難しい・・・それをクリアーしていました。一方でつくづく理系の人の発想だなあと思いました。だから共感できるところも多々あるけれど・・・・、、、みたいな。
読了日:7月26日 著者:森博嗣
森は知っている森は知っている感想
太陽は動かないを読んでなかったので(前作らしいです)、この本を読んだ後すぐに買いに行きました、それだけ面白かったわけです。鷹野という男の青春物語でもあるし、鷹野という男がどうやって生まれたかという幼少時の物語でもあるのですが、この過酷過ぎる幼少時の話に胸打たれました。鷹野の親友の柳と柳の弟の三人の冒頭場面も忘れがたく(そして後半で重要場面になる)、更に鷹野達のすることが心躍らせるし、後半の二転三転の活劇のようなところもおおいに楽しめました。エンタメとしてとても良い出来栄えかも。風間さんと富美子さんに乾杯!
読了日:7月24日 著者:吉田修一
薔薇の輪 (創元推理文庫)薔薇の輪 (創元推理文庫)感想
ずっしりとした話、というよりも軽妙なやり取りといった感じのミステリでした。自分が妊娠している時に夫が暴力を振るったために身体が不自由で生まれてきた娘、そして彼女と女優の母との交流が新聞の連載エッセイで大人気になっている、という滑り出しの話におおいに心躍らされました。しかもそのあと刑務所にいた夫が出所して・・・・ここから殺人事件が起こるのですが、殺人事件と失踪とが二つほぼ並列で語られているのが興味深かったです。ただ・・・ちょっと私が勝手に思ったミステリとは違ったかなあ(私の勝手な思い込みなのでごめんなさい
読了日:7月24日 著者:クリスチアナ・ブランド
笹の舟で海をわたる笹の舟で海をわたる感想
すごく心にヒットした小説でした。こういうのを書かれると角田光代は天才的、ちょっと対岸の彼女を彷彿とさせました。昭和の歴史とともに二人の異なる人生を歩む女性二人を描いています。平凡な主婦の左織の、有名人の料理研究科になった風美子への忸怩たる思い、畏れ、後ろめたさ、そのあたりの描写が特に胸を打ちました。元は過去の疎開先の出来事(壮絶ないじめ)なので、記憶の改竄とかそこも人間とは・・・・と改めて考えさせられました。ただの二人の人生の変遷として読むと微妙になりますが、感情の波打つ感じが大好きな小説でした。
読了日:7月24日 著者:角田光代
あなたが消えた夜にあなたが消えた夜に感想
一章二章までも混沌としていてわかりにくい推理小説でしたが、それでも被害者加害者の関係がわかるところあたりで、あ、面白いかも!と惹き付けられました。二人とも心に闇を抱える刑事コンビの良さはあまり私はわからなかったけれど(特に小橋刑事のずれてる感・軽妙感は、は?)。三章にたどり着いて、あーここが作者の書きたかったところなのか、と思いました、ここで一気に心理小説+形而上学的小説に変貌。タイトルもここから何度も語られます。ただ・・・私には全体にあいませんでした、ごめんなさい。
読了日:7月18日 著者:中村文則
火花火花感想
お笑いの話でなかったら作者本人の顔も佇まいも浮かばないものを・・・・これが利点にもなっているのでしょうが・・・・。 笑いがわかりませんでした、私には、最初の方から最後のところまでずうっと、会話の突っ込みみたいのもわかりませんでした、ごめんなさい。そして先輩芸人の神谷の魅力が今ひとつ伝わらない気がしました、相方をもうちょっと出した方がいいと思います。ただ、芸人の世界の厳しさを描く、独特の作者の見た世界観、そういう部分はかえました。
読了日:7月16日 著者:又吉直樹
母性 (新潮文庫)母性 (新潮文庫)感想
全体の仕掛け、は面白いと思いました。母部分と娘部分とのパートの語りのずれ、も読ませました。ただ・・・根本のところで、最初の田所と結婚した女性があまりに母の支配を受けている、彼女の目線と愛情をずうっと感じ続けている、というのが腑に落ちませんでした。
読了日:7月10日 著者:湊かなえ
さよなら、ニルヴァーナさよなら、ニルヴァーナ感想
読ませるけれど。あまりに実際の事件と重なりあいすぎていて、非常に割り切れない気持ちになりました。虚構の物語のはずなのに現実とこれだけリンクしているという不思議感。少年A、彼に憧れる莢と言う少女、少年Aに殺された女の子のいた家族、そして外枠に作家志望の屈折した女性が出てきます。もしこれが虚構だったら少年法とか被害者とか考えることは出来ます。が、扱いがとても繊細な事件だと思うだけに、実際の被害者一家の心情を考えると安易に言葉を出せません。また性描写はこれだけ必要だったのでしょうか、その部分辟易しました。
読了日:7月9日 著者:窪美澄
時を紡ぐ少女 (創元SF文庫)時を紡ぐ少女 (創元SF文庫)感想
なんて面白い!最初の部分から惹き付けられまくって、刺繍娘に不合格ってなに?刺繍?反抗する両親は?え?と、世界観が全くわからないまま読み進めました。アラスという世界が非常に特殊な世界というこの設定そのものがどきどきわくわくしました。糸を抜く抜糸の作業が何を意味するか、糸を縒り合わすのが何か、そもそも刺繍娘とは何なのか。これらの問いが世界と共に広がっていきます、ジョストとのラブロマンスもまた。三部作と知らなかったので後半冗長に思えるところもあったのですが、序章と思えばこれもまた。にしてもアデリス、やるな!
読了日:7月8日 著者:ジェニファー・アルビン
ジーン・ウルフの記念日の本 (未来の文学)ジーン・ウルフの記念日の本 (未来の文学)感想
奇想、SF、異世界(SFですが)と多彩な18編が入っていました。ちょっと意味がわからないというかもしかして私の読み違い?と不安なものもありましたが概ね楽しめました。ただ解説がもっと詳しくして欲しいかも。この中ではフォーレセンの不条理感が好き、歴史改変の私はいかにして第二次世界大戦に敗れ、それがドイツの侵攻を防ぐのに役立ったかも楽しめ(ドワイトはわからなかった調べるまで)、ラ・ベファーナも六本足の生き物?と最初かなり引いていましたが、最後まで読み終わると大好きでした。ラストが光る取り替え子も好き。
読了日:7月4日 著者:ジーン・ウルフ
サキ―森の少年 (世界名作ショートストーリー)サキ―森の少年 (世界名作ショートストーリー)感想
大好きなサキ。少年少女向けですが、非常に良いセレクトで楽しませてくれました。数ある短編の中で、最高峰と思われアンソロジーにもよくとられている、開かれた窓(出だしから最後の言葉まで緊密でオチに震える)、もしかしたらあるかもと思わせる猫がしゃべって人間が辟易する話、トバモリー、電車内で自分の洋服の中にネズミが入り込み美女の前で裸にならざるを得なかった男の顛末のネズミ(これもオチが素晴らしい)、電車内のうるさい子供に語って聞かす話の残酷さが光る話し上手、最後までラストが読めない夕暮れ、の面白さが光りました。
読了日:7月3日 著者:サキ

読書メーター