日本作品に心に残るものが多かった月。


まずはこれを。

大きな感情のうねり、そういうものが自分の中に呼び起こされました。
そのうねり、が呼び起こされるかどうかでこの話の良さを感じるか感じないかが分かれると思います。
昭和の歴史、でもあるのですが、その側面からよりも、一人の主婦のもう一人の女性への、憧れ嫉妬忸怩たる思い、そのあたりがとても心に残りました。

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一種の青春物であり、すがすがしい自然の残る島での暮らし、そこでの友情と淡い初恋、そこも光ります。
でもなんと言っても良いのは、主人公の出自があまりにあまりであって、でも苦悩しながらトラウマにさいなまされながら、そこから立ち上がっていく姿におおっと思いました。
あと周りの見つめるサポートする人達の目も温かい。
勿論スパイ物、アクション物としても優れていて、一粒で何度も楽しめる、お手本のような小説。


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ひっくり返しの上のひっくり返し。
本格ミステリをおちょくっているところもあり、非常に面白く読みました。
注意深く読むと、伏線があらゆるところにあり、更にこの話、話の中に話というような複雑な構造になっています、そこも面白い。
ただの「閉鎖空間に集められた人達の中で次々に起こる殺人事件」ではないのです。
最後驚愕しました。