2015.08.08 抱く女


評価 4.9

一気に読んでしまった。
やはり読ませる力があるなあとつくづく思った。

この時代の熱気、退廃、大学生の様子など手に取るように伝わってきた。
その時代のこの時を大学生で過ごしていないなくても、セクトに属している兄、大学の授業を放棄して麻雀屋にたむろする学生達、そこに女性が混じると言うこと、女性に対しての差別的表現、そしてラストに向かって兄の悲惨な状況、など読むところがたくさんあった。
途中自殺する人がいるのだがそれすら時代を感じた、こういう理由で死ぬ人は今の時代少ないだろうから。

直子の生き方、直子の友人関係、直子の初めての燃えるような恋。
これも原初的なもので、取り繕っているようなものではないのに、いやそれだからこそ胸打たれたのだった。
植物人間になるかも知れない兄を見ながらも、恋人を思う理不尽。
そしてそれに対する両親の反応。
どれもこれも時代を感じながら、はっとしたのだった。