評価 4.6

小学校のクラスのカーストの話、と思っていたら、後半とんでもない展開になっていった。
あるところでは驚くほど騙され、あるところはなんとなく・・・わかったのだった。
全体には面白い、が、ちょっと凝りすぎといった感じはする。
驚きが分散されてしまうのだ。
でも読んでいて面白かった。


・・・・・
第一部は子供の視点だ。
女王様はマキと言う女の子が小学校三年生のクラスにいて、女の子達を支配している。
そこに都会からの転校生エリカがやってきて、クラスの女子を二分する。
女王様が二人になったわけだ。
ここで始まったのが覇権争いでそれはそれは熾烈を極める・・・

子供の視点で見たいじめ、先生の無関心と見て見ぬふり、クラスの中でのそれぞれのポジションと、読ませどころがたくさんある。
一章のラストあたりになるとおなかいっぱいになるけれど。
マキとエリカという悪魔のような女の子がクラスを支配していく姿がぞくっとする。
二人がお互いの母親を罵倒するところ(マキの母をいんらんな母と言われ、エリカの母はババアと言われ)など壮絶だった。

第二部は大人の視点だ。
ここでなんとなく二部の意味はわかった。
わかっても尚、読ませるところがある、どういう展開にするのだろうと。

そして第三部・・・ここで全てがわかる。

全体に面白いとは思うけれど、やや手間取ってる感じがした、特に第三部の全てのネタバレのところで。
伏線自体がどこだろう?と探す部分が多すぎる。

以下ネタバレ
・第二部の話は、先生の感じが第一部の先生と感じが似ている。
でも一部の先生は男性っぽいのにここは女性の先生だ、ここであれ?
しかもエリカ、マキが出てくるので一部と同じ時の話と見えないこともない。
更にエリカの失踪もあるのだから。

が、ここは注意深く読んでいるとマキがまず違う。
全く前のマキとは違う(だから描き分けられているということです)
一部に描かれた時代にはなかった携帯もここに出てくる。なので一部は二部とは違う時代の違う話、ということがわかる。
あと、山の上に住んでいる変質者のおじさんというような人物がどちらにも出てくるが、二部はエリカをなくして頭のおかしくなったエリカの父、というのがわかる。


・私が一番驚いたのは、男女の逆転のところだ。

第一部でおっさん、と呼ばれているのは当然男子だと思っていた。
が、これは大崎と言う女子だった(自分を僕、と言っていたのだが、ここがちょっと・・・作りすぎ)
おっさんがいつも一緒にいて庇っていた、すぐに涙目になるメグが恵雅史という男子だった。
男子なのにか細くて過呼吸までしてしまう繊細さのある子、それがメグ。
仲裁に入ってはいつもトラブルに巻き込まれそうになる子、それがメグと言う男子だ。
そして大崎(おっさん)は恵(メグ)といつも一緒に登校下校をしていて、恵のことが好きだ。
が、恵(メグ)は意地悪な女王様マキが好きだった。

・エリカとマキも
襟川純子と牧村敏江という名前だった。
ここ、必要だったのか?
二部との差をつけたと思うのだが。

・エリカとマキの争いで、花火の日に二人は崖から転落してしまった。
その場にはクラス全員がいた、なぜならエリカが呼んだから、自分がテツと言う男の子に告白して受け入れられるのを見せたかったのだった(この告白はテツによって拒絶される、直後にエリカが死ぬのでテツは後悔の念にさいなまされる長年)
エリカは即死、マキはその下から生き残った。

・が、生きて騒ぐマキを石を持ちクラス全員で殺し、二人の死体を沼に沈めたのだった。
これは4年1組の全員の秘密だった。

・大崎はのちに先生になった。
そして恵と結婚する。
恵(当時のメグ)は、まきが好きだったので、エリカを落ちるように微かに押したのを大崎は見ていた(マキが一緒に転落したのは不可抗力)
大崎(当時のおっさん)は、マキに嫉妬していたのでここでメグがマキにまたなびくのは嫌なので、皆を誘導してマキを全員殺す方向にいかせた。
(ということ(メグがエリカを押したということ、と自分がそのメグの行為を隠蔽するためと自分に言い聞かせながら実は本当にマキを殺したかったんだ、ということを大崎(おっさん)は自覚していて、おそらく恵(メグ)も大崎が知っていることを全て知っていて結婚している。
ここが怖すぎる)

・エリカの母とエリカとなぜうまくいってなかったんだろう?
おっさんが垣間見たエリカの母親への罵倒というのはどこに繫がるんだろう?