評価 5

とてもとても興味深く読んだ。
それぞれの事件で知らないことがあってそれを調べていたりして、読むのは時間がかかったのだが・・・
読み終わって、もう一度読んでみたいと思った本だった。

宮部みゆき、と半藤一利の対談本だが、読んでいてどの事件についての話も面白かった。
小説家と歴史のことを書いている人との違い、がある。
あと年代の違いで、宮部みゆきの方が圧倒的に若い。
どうしても臨場感と言うことでは半藤さんの方に分がある。
だけど小説家の目というのが、あらゆる面で出ている宮部みゆきの視点というのもまた極上に面白いのだ。
またヘタをすると半藤さんが年下の宮部さんに「教える」と言う形になりそうなものを、ある一点でぐっと踏みとどまっている。
だからこそ対等な関係で語られいてそこがまた読みやすく、良いなあと思ったところだった。

実に半藤さんらしい彼独自の体験もある。
たとえばヘルシンキオリンピックの話の中で、半藤さんの大学のボート部の話なんか、個人的な話?と思って読んでいると、なんとボートを漕いでいる時に見える風景というのが定点観測のようで、隅田川が段々にごってくるとか(公害で)、お化け煙突の見え方の話とか、そこに繫がっていくのがお見事としか言いようがない。

金閣寺焼失の話も、それぞれの立場から語られていてそれはそれは興味深かったのだった。
私が個人的に一番興味を覚えたのは東京裁判の項目なのだが、責任のあり方、の話とかは現代にも通じる話だなあ・・・とここもしっかり読み込めたのだった。