2015.10.13 柘榴パズル


評価 4.8

この、表紙の可愛さと、大家族で暮らす人達、というので、平成大家族の小さなミステリ版のような話と思って読み始めた。
そして各章に小さな残虐な新聞の記事がある。
ここでややどきっとしながら、でもこれはこの人達の話じゃないよね・・・とたかをくくって(どういう展開になるかはわからず)読んでいた。

それぞれの小さなエピソード、小さな日常の謎というのは、他愛もない感じの話だ。
・よくお母さんの名前を間違えるぼけかけたと見える陽気なおじいちゃん、
・その間違いにも何も抵抗しないショーコお母さん、
・生意気なんだけど甘えん坊の10歳の妹桃子
・大学生の面倒見がいい友広お兄ちゃん、
・語り手のあたし
・そして猫の龍之介
ほのぼのとした日常生活が語られ、仲の良いむつまじい家族がいる。
一点、お父さんの話題は何も出ない、どこからも。
そこがちょっとした違和感であったのと、おじいちゃんがショーコさんの名前を間違えているとしてじゃあ呼んでいるのは一人は死んだ奥さん(つまり祖母)だが、もう一人は一体誰なのか、というのが謎だった。

ちょっとした違和感。

そしてラストで驚いた、驚いた!
絶対に思わなかった展開だったから。
こういうことだったのか。
ただ・・・エピローグが惜しい、なくても良かったのに。
あまりにここでこうなるというのな唐突な感じが否めなかったのだ。
でも、その前までの衝撃は強かった。

以下ネタバレ

この人達は全員家族ではなく擬似家族で、あるセミナーの受講者であった。
途中で、ストーカーのような男が「あたし」とこの家族に付きまとうが、この人は、
「ぼけた爺さんの家に入り込んだ不思議な人達は何者なのか」
と祖父の妹達から依頼された人であった。

お兄ちゃんと「あたし」が家族になろうとするのはいかにも唐突でいかがなものか。