評価 4.5

「通勤電車の中からいつも見える光景にいる人達」を観察している一人の女性。

この冒頭から惹き付けられた、こういうことって実際の生活にもあるから。
定点観測のようなもので、相手は知らないし他人だけれど自分はその人達をよく見かけている、というような状況というのは色々あるだろう、電車の中から見える一こまに限らず。
ただ、この場合、段々様子が違っているのがわかってくる。
なぜなら、この観察する側の女性レイチェルが大変何かでダメージを受けていて、更には彼女が観察している幸せそうな夫婦は知らない人ではあるが、なぜそこを観察するのかというのが理由がある、というのが徐々にわかってくるからだ。
このあたりも面白い、知らないことのページがめくれていくようだから。

この話、独白体でかかれている、しかも三人の女性の独白で。
アルコール依存性のレイチェル、一見幸せそうに見える主婦のメガン、レイチェルの元夫と再婚したアナ。
それぞれの思いがあり、
そのうちに、レイチェルが離婚している事、働いていない事、しかも観察していた家の近くにすんでいたという事がわかってくる。
レイチェルはかつての自分をその観察している幸せそうなメガン夫婦、に見い出すのだが、そのうちにメガンの不倫現場を目撃してしまう・・・・



ページをめくるごとに新しい展開が待っているミステリだ。
人への評価も微妙に読んでいるうちに変わっていく。
レイチェルがどういう思いでいるのか、そしてレイチェルの夫にストーカーのごとく付きまとっている彼女の姿と言うのも前半忘れられない。
ところが後半意外な展開が待ち受けている・・・・

だが、やや、弱い、と思う、意外性が。
驚くには違いないが、そこまでに(どうなの?)という思いが読者側に芽生えているからだ、

以下ネタバレ
・レイチェルの元夫がまずお金がないということは差し引いても
「同じ家に」元不倫相手の女性と生まれたばかりの子供と暮らしている、というのが非常にマイナスポイントの気持ちになる。

レイチェルが執着している夫だがたいした人ではないのではないか、という思いが読者側に出ている。

・子供がいないということでレイチェルは離婚したようなものだ、
それにもかかわらず同じ家に子供と共に住んでいると言う残酷さを持った夫・・・・

・最後、どうしようもない奴は夫、とわかって、上記のことがあるので、意外性が半減したのだった。