評価 5

面白かったー。

書評(漫画も含む)と映画評なのだが、簡単に言えば、センスがある文章だ。
切り取りがとても巧いし、(そういうことを私もこの本を読んで思っていたんだけど言ってくれた)という感覚よりも(それは思っていなかったけれど、あなたが書いてくれたので私も思っていることに気付いた!)という感覚が強い。
思っていなかったのに共感が出来るという不思議な感覚。
それを味あわせてくれた。

本を読む、そしてその感想を書く。
この人の本へのスタンスって、こういう本があるから面白いよ、皆読んでみようよというのではない気がする。
ただただ、自分の好きな本を熱く語る人の話を聞いているような気がしてくるのだ。
本の種類も多岐に渡っていて、読んだ本については(思っても見なかったよ!)であり、読んでない本については(なんて魅力的な本なんだろう)と思ったりした。
柚木麻子の王妃の帰還で、女子の調整力を指摘したところ(調整力と言う言葉に感心)、クリスティの春にして君を離れ、と、ららら(まさこれがこの話で流れるかと言う驚きが)の結びつき、あの、ゴーンガールの「読み方」を最後さらっと三行でこういう読み方もあるよという示唆(驚いたし爆笑した)・・・etc・・・

やや、映画評と書評が混ざり合っていて読みにくいかな、と途中まで感じていた。
でも途中からは、それもまた味があるというような気すらしてきたのだった。

この中で、最後の柴田元幸さんとの対談も非常にためになったし、この本の一つの読みどころではあると思うものの。
最高に私が気に入ったのは、ドラマ「すいか」」の分析だ。
何度、このドラマを見た人と話しても、しっくりこなかったこのドラマの良さをそれはそれは縦横無尽に語ってくれている。

(それだけに、レベッカの誤植?は惜しい。
貴族はマンダムではなくマキシムなのでは?)