評価 5(飛びぬけ)

抜群に面白い!
リンカーン・ライム物だけれど、シリーズの中でも上位に位置する作品ではないのか!

どんでん返しの小技は、残念ながらこちらも目が肥えてきているので、(あ、死なないだろうね)とか(あ、これはトリックね)とかそのあたりは読めるようになっている(でも楽しい)
次の章に行くと、前の章でパニックになったはずの人が平然と働いていても度肝抜かれたりはしない。
そのあたりが惜しいといえば惜しい、自分に対して。
しかし後半のたたみかけが素晴らしい。
え!
え!この人!
えええええ!
の連続技で息をもつかせない。
どんでん返しの魔術師といわれる所以だ。


また、読ませて面白いのは、一人ひとりのキャラクターが立っていることだ。
(リンカーン)ライムは相変らずライムで、苦虫噛み潰したようだし(四肢の状況が状況とはいえ!)、映画を見ろよ!と途中突っ込んでいた(映画の話が同僚から出てもその部分は全く知らないらしい)
アメリア(サックス)は、グリッド調査をいまだ続けていて、ライムと既に強力なパートナーの域に達している。
でもこの巻で際立っていたのは、彼女の母性だった。
かつて助けてずうっと見守ってきた少女が大人になっていくときの戸惑い、反抗に対する対処におろおろする姿が、普段のきりりとしたアメリアの捜索ぶりとは対照的でここも微笑ましかった、アメリアの人間的なところを垣間見た、と言う感じで。

犯罪の天才ウォッチメイカーが獄中で亡くなった。
ライムはその報を受けて彼の葬儀に向けて一つの作戦を開始する。
その直後に、新しい事件が・・・。
今回の敵は、おなかのところに精巧なタトゥーを入れるスキン・コレクター。
タトゥーを入れるばかりではなく、入れる液が毒薬なので、被害者はもだえ苦しみながら死んでしまうのだ。
アンダーグラウンドで活躍しているスキン・コレクター。
その犯人像は一体どういう人物なのか。
捜査しているうちに、ライムがかつて解決したボーン・コレクター事件とかかわりがあるかもしれないということがある紙片で判明する・・・・


シリーズを全部読んでいる人にも読んでいない人にも楽しめるようにはなっている。
でもウォッチメイカーと、ボーンコレクターを読んでいると更に更に楽しめる、私はそここそが楽しめたところだから。

にしても、タトゥーの意味はわからなかった・・・
スキン・コレクターの意図もまた・・・・

ああ・・ロン・セリットーがとても心配で(ファンです)、心痛む。
彼は回復するのだろうか。

最後、ライムが仕掛けたことはどうなるのだろう。
次が待たれる!!

以下ネタバレ

・犯人は、アメリアが心配していたパム(ボーンコレクター事件で救出された娘)の恋人セス。
彼はセスと言う名前を名乗っていたが、実はビリーと言う名前だった。
ビリーは叔父叔母に引き取られて暮らしている(叔父叔母の息子のジョシュアもいる)
叔母から性的なことを少年の頃から強要されていた。
この叔父叔母は、被害者として途中で出てくる。

彼が一連のタトゥーの事件を起こしている。

パムが幼い頃、狂信的な母と一緒に暮らしていて、その集団にビリーはいた。
パムの母親にパムとの結婚を約束していた。
それが現実であると思い込み、パムをライムとサックスから脱出させ、妻にしたかった。

・黒幕でこの計画を立てていたのはローガンは、ウォッチメイカー。
つまりウォッチメイカーは獄中で死んではいないで、脱走していたのだった。

計画
1.刺青を入れる連続殺人を起こして社会を震撼させる。
2.水道管の爆破しニューヨークを水浸しにする計画がある。
3.これに気付いて当局は主水道を止める。
4.止めている隙にボツリヌス菌を投入する(水を止めさせないと、入れる穴から強烈な水が出て犯人がざっくり切られてしまうから。実際はライム判断で止めなかったので、ざっくりという死者が出た(ただ、これは犯人ではなく浮浪者の代わりの人であった)
5.主水道を開いてみると、ボツリヌス菌が混入しているのでニューヨークに多数の死者がでる


(・ジョシュアはビリーの年上?年下?
358ページでは年長のビリーとあり、
359ページでは事実上の兄と一緒に暮らした・・・とある。)