評価 5

楽しすぎる!
ばかばかしすぎる!(褒め言葉です)

読んでいて楽しくて楽しくて、読むのが終わるのが惜しくてならない本だった。
この本は
「罪と罰を私達は読んでません。
でも登場人物と、ある一定のちょっとした事前知識と
たまに入る適当に指定した適当な箇所の文章朗読から、罪と罰の物語を推理しましょう」
という企画だ。

何と言っても、三浦しをんの妄想力が素晴らしい、そして結構当たってる部分もある(外れてる部分も同じくらい多いけれど)
加えて、吉田浩美が、たまたま、NHK放映された短い「影絵」の罪と罰を見ているようなので、彼女から講釈が入る。
なんといっても見ている人は彼女だけなので、皆それを信用する。
「影絵的には・・・」と始まるだけで抱腹絶倒だ。
しかも、あとで吉田浩美はあれだけ偉そうに影絵的には、と皆よりアドバンテージの知識があるからね・・・と言っていたはずなのに、実際に影絵を再度見てみたら、かなり適当だと言うことがわかったというのを書いていてそこにも大爆笑していた。

長いロシアの名前を皆であだ名をつけるのも笑っていた。
ラスコーリニコフのラスコに始まって(これはまだわかる)、マルメラードフ一家のソーニャの父をマメ父というのにまた大爆笑した。マメ父って(しかも、つけておきながら三浦しをんはこの名前を見て誰だっけ、と後半で呟いている)

この当時のロシアのサンクトペテルブルグの様子を島耕作から類推する、というのも爆笑していた、いかにも漫画好きの三浦しをんらしい。
捨てキャラというのも、年取ってる人には何のことやら?だろうが、ここも実に的確だ、確かに長い小説って捨てキャラってある。
また、この物語を全く知らずして、意外にこの物語が短い期間の間の出来事なのではないか、と見破る辺りもさすがだなあと思った。

・・・・・・
更にこの本が優れているのは、
妄想で終わらせず、きちんと全員このあと本当に読んでいるのだ、いわば妄想の後の答え合わせといったところだ。
このあたりとてもきちんとしていると思った。
そして読了後の指摘にもいちいち頷いたり笑ったりしていた。
まさかの片岡愛之助!
まさかのヴィゴ・モーテンセン!(これ、すごく納得がいった配役)
まさかの松岡修造!(大爆笑の一部分)
ドストエフスキー、ニコルソン・ベイカー説。


罪と罰を読んだ人にも、読んでない人にも楽しめる一冊だと思う。