2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3001ページ
ナイス数:322ナイス

黒野葉月は鳥籠で眠らない黒野葉月は鳥籠で眠らない感想
ミステリ短編集でどの話も非常に読ませました、法律知識なしでも話を読んでいるうちに、!とラストの方でわかる瞬間を堪能しました。一方の側(主に新米木村弁護士の見ている側)からもう一方の側(主にベテラン高塚弁護士の見ている側)への真実への道筋が鮮やかな逆転劇が快感。表題作は全く最後までわかりませんでした、石田克志は~もこういう手が!と驚いたし、後味は良くないけど、「三橋春人~」も後半のえいやっの反転の本を取り落としそうになりました。小田切惣太は~は木村弁護士の見方に引きずられますが、真相におおいに頷きました。
読了日:12月28日 著者:織守きょうや
孤狼の血孤狼の血感想
良かった・・・。ヤクザ抗争の話で私の一番苦手分野なのに、するすると読めてラストぐっときました。漢(おとこ)の物語。昭和63年と言う時代背景が非常に重要だと思われます。携帯もパソコンもそれほど普及していなかった時代、いわば泥臭く野暮ったい状況があり、そこに警察の捜査も組されているのです。新人の日岡の率直でナイーブなところと、ヤクザ同然の恫喝もする旧弊な刑事と言った感の大上コンビが捜査していくのですが・・・章ごとの冒頭にある文章の削除べた塗りの意味がラストわかって泣けました。またラストで驚きの事実もまた!
読了日:12月23日 著者:柚月裕子
鍵の掛かった男鍵の掛かった男感想
長いミステリでしたが楽しみました。火村が出てくるまでは長いのですが、アリスのそこまでの奮闘ぶりが好ましく読者として一緒になって探偵になっていく、と言う気持ちでした。一人のホテルに長逗留していた一人の老人が自殺するというところから幕開けですが、この人の過去というのが徐々にいぶりだされてくるところが圧巻。更に途中でウールリッチへの言及とか大阪の町の説明とかそのあたりも話が膨らんで面白かったです。そして何と言っても犯人の動機が、最初の方だけなら、え、物足りない!のですが後半の意外な事実が胸打たれ納得できました。
読了日:12月23日 著者:有栖川有栖
『罪と罰』を読まない『罪と罰』を読まない感想
大爆笑の連続!4人の人達が「罪と罰を読んでなく、登場人物と小さな手がかりと少しだけの本文朗読から内容を類推しましょう」という本だ。なんといっても三浦しをんの妄想力が素晴らしく結構当たっている(外れているところも多いけれど)。長いロシアの名前をラスコ、マメ父(これに涙が出るほど笑った)、とつけるセンス、島耕作からロシアの雰囲気を想像したり、捨てキャラの言葉を使うところ、これだけ罪と罰を身近にしてくれる本って少ないんじゃないかなあ。更に「本当に罪と罰を読んだその後」の話し合いも抜群に面白かったです。
読了日:12月15日 著者:岸本佐知子,三浦しをん,吉田篤弘,吉田浩美
スキン・コレクタースキン・コレクター感想
面白い!!シリーズ中でも上位にランクインする作品だと思います。今回の敵は、刺青を彫りそこに毒物を入れるという残忍な犯行を繰り返すスキン・コレクター。途中途中の小技のどんでん返しは、申し訳ない、こちらも目が肥えてきたのでわかるのですが、かなり後半の怒涛のどんでん返しはここと繫がるのか!!とかこの人が!!!とか、驚きの連続でした。。読んでいなくても楽しめますが、ボーン・コレクターを読んでいると味わいが違うと思います、あと出来たらもう一冊も。個人的ファンのロン・セリットーの回復を祈ります。
読了日:12月15日 著者:ジェフリーディーヴァー
あこがれあこがれ感想
もう良くて良くて!小学生の語りで始まるこの本、私の心の琴線をぐっと押しました。前半は小学校4年生、(男の子が麦君、女の子がヘガティー)の内の麦君の語りで始まっていきますが、学級内のさりげない様子から麦君の家の寝たきりのおばあちゃん、ヘガティーの家での映画会、二人だけのアルパチーノのさよなら言葉、ヘガティーが銃撃戦の物真似をして素直にすごいという麦君の佇まい、そしてヘガティーが麦君の心を喝破するところ、など読みどころ満載でした。後半は女子のヘガティーの2年後なのですがここでも麦君の佇まいが最高に良いです。
読了日:12月8日 著者:川上未映子
ありふれた祈り (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ありふれた祈り (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
大好きです!こういう話!強烈なミステリというより普通の小説として読むと胸に迫るものがありました。語り手の少年の追想と言う形で始まっていますが、中盤まで1961年の夏のミネソタのある田舎町の光景がそれは緻密に炙り出されます。優しい音楽の才能あふれる姉、穏やかな牧師の父、芸術家肌の母、頭のいい弟、そして13歳の僕。一見平穏に見える幸福な家族がある事件を通してどういう姿を見せていくかというところに心惹かれました。過去を振り返る、という設定そのものがもう成功していました。タイトルの本文部分でおおいに泣けました。
読了日:12月4日 著者:ウィリアムケントクルーガー,WilliamKentKrueger
Aではない君とAではない君と感想
辛かった・・読み進めるのが本当に息苦しく辛い本でした。それだけ胸に迫ってきます、自分の子供が殺人を犯す、それは一体なぜなのか、自分の存在は子供にとって何だったのか、葛藤し苦悩する父親がいて、なんとか自分と息子との距離を縮めようとしているそのもがき、がこちらに伝わってきました。加害者側の目線なので、こういう事件が起こった時、子供の変化に親は気付けとか、親は子供の管理をするべきだ、とか、そういう言葉一切が空しく響くような気がしました。これはでも理由がある殺人でまだほっとしている自分がいるのにも愕然としました。
読了日:12月1日 著者:薬丸岳

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