評価 4.9

久々の村上春樹の紀行文を楽しんだ。
彼の紀行文を読んでいると、若いなあ・・・と思ってしまう。
そして懐かしいなあ・・・と思ってしまう。
多分、「旅に対するスタンス」というのが村上春樹は若い時と変わっていないと思うのだ。
新しいもの、新しい光景、新しい食べ物、に対して貪欲に、でも貪欲に「見せずに」きわめておしゃれな感じなスタンスで立ち寄っていくそのスタンスが。
そしてちょっとしたことで、くすっと笑ったり、考え込んだりするスタンスが。
このあたり、村上春樹はとても柔軟なんだと思う、考え方が。
グローバルなんだと思う、物の見方が。

この中で特にノルウェイの森を書いたギリシャの島の再訪に胸打たれた。
ここで全てが(その前も作家活動はしていたがノルウェイの森が決定付けたという意味で)変わったのだなあと思うと読者としてそれは感慨深かったのだった。