2016.01.06 夕暮れ密室



評価 4.3

全体にすがすがしい青春小説の趣というのが感じられた。
特にバレー部の男子生徒たちがあと一歩でインターハイに行けず、そのためにスポーツ推薦で大学を決めることが出来ない状況に陥る、成績の良い者は普通に受験すればいいけれどそうでないものはそこで一旦この街から出られないことを意味する・・・・
ただ・・・腑に落ちないことが多すぎたミステリだった。
多重推理も途中で出てくるのだが、どう考えても穴のある多重推理って読むのが辛い。
よくわからないミステリだった、私にとっては。
途中の青春群像劇的なところは、楽しいし読ませると思う。


ある地方の高校に一人の男子の垂涎の的の女子生徒がいた・・・彼女が殺されるという事件が起こる・・・
それも殺されたのは密室だった、シャワー室と言う名の密室。
一体彼女は殺されたのかそれとも自殺だったのか。
生徒達が推理を繰り出す・・・・
そして第二の事件が・・・・


まず、東京にそれほど遠くない街のように見えたが、こんなにこの時代東京に思い入れがあるものだろうか。
あとこの時代って、携帯があるのだから今の時代っぽいのだが、全体がとても「昔の時代」っぽい感じがするのはなぜだろう。
生徒達の言葉の一つ一つ、反応、そして携帯の使い方、とかだろうか。

何より思ったのは、当の憧れられていたご本人の栞という女子生徒が、なんでこんなに皆男子生徒にもてているのか、というのがよくわからなかったことだ。
最初の方ではまだ生きているので、その姿がわかる、女子マネージャーとしてバレーボール部を支えていた女の子、元陸上選手だった女の子。
それでも栞の人となりをそのあと生徒達が語っていっても、(なぜこんなに人気がある?)というのがまずわからない。
他の女子(親友を除いて)がどういう反応を示しているのかもわからない(普通反発を招くだろうが)
更に警察は当然介入してくるわけだが、途中でフェイドアウトしている感じがするのはなぜか。
生徒達で推理する推理団みたいのが発生すればそれはそれでわかるのだが(ソロモンの偽証のように)、なんだか皆がだらだらと集まってだらだらと推理しているだけだ、これはなんだろう?
普通一人同級生が死ねば衝撃でこんな推理している場合じゃないだろう。
家の人の反応も薄くてよくわからない、高校生なのだから当然家の人達も関係してくるだろうに、背景にちょこっと見えるだけだ。

決定的に最後の展開で
殺した犯人の動機がよくわからない、同じ目指していた東京に行けない、栞はこの町に残るということでそうなったのか?それだけか?