2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4347ページ
ナイス数:385ナイス

黄昏の彼女たち〈下〉 (創元推理文庫)黄昏の彼女たち〈下〉 (創元推理文庫)感想
下巻である大きな事件が起こるのですが、犯人側の気持ちの移ろい、ジレンマ、葛藤というようなものが裁判場面とともに心に染み込んできました。特に後半、犯人もそして読者も全く予想していなかった意外な展開が待ち受けていました。 美しい印象的な場面も数多く、特にスケート場面は心が寄り添っていく様を見事に描いている場面でおおいに堪能しました。誰かと誰かが愛し合った事で周囲の人が傷つく。周囲の人が傷ついた状況(事後)と、ただ二人の世界で愛し合っていた状況(事前)とは世界が違ってしまっていると言うのを痛感しました。
読了日:1月31日 著者:サラ・ウォーターズ
黄昏の彼女たち〈上〉 (創元推理文庫)黄昏の彼女たち〈上〉 (創元推理文庫)感想
猛烈に私好みの小説でした。文字数が多いのと卓越した心理描写の上下巻なのでやや読むのに時間が掛かりますがこの時間の豊穣なことと言ったら!上巻と下巻と趣が違いました、上巻は愛の物語、そして下巻は実に意外な展開が待ち受けていました。戦争後の生活苦のため、上流階級でありながら部屋を貸すことになった母と一緒に暮らしているフランシス、そこに下宿人として現れる美しい若い夫婦。最初の出会いから家の中の共有スペースで折々に出会い、それに慣れないフランシスの姿が途中で変貌してくるのです。喪失感をどの人も持っている物語。
読了日:1月31日 著者:サラ・ウォーターズ
Ker 死神の刻印 (集英社文庫)Ker 死神の刻印 (集英社文庫)感想
ある意味病んでるダークヒロインのヤナの姿がどうしようもなく人を惹きつけるのです。女性検事として冷静沈着であるヤナ、人と交わらないクールなヤナ。でもヤナが崩れ落ちるくらいに動揺する事件が起こるのです。途中で非常に驚いたヤナの行動があるのですが、それをもぶっ飛ばすくらいに後半勢いがありました。警察の中の人達も生き生きと描かれ、折々に挟まっているコンテナの話から続く物語が胸詰まりました。過去にようやく対峙するヤナのこれからを読みたいので、是非是非続編を訳していただきたいものです。何度か首筋を私は撫でました・・・
読了日:1月20日 著者:エメリーシェップ
世にも奇妙な君物語世にも奇妙な君物語
読了日:1月20日 著者:朝井リョウ
カールの降誕祭カールの降誕祭感想
面白い。淡々としたいつもの短い文章の中に、「悪い予測」というのをひしひしと感じました。それがもしかして悪い予測でしかなく、勝手に胸をざわつかせていたのかも、と思った瞬間にどかん!どの話もとても良かったのですが、表題作が一番ラストまでの展開に引き込まれました。版画とも合っていて、本当にブラッククリスマスプレゼント。
読了日:1月19日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
新訳と言うことで本当に久々に熟読。おおいに楽しめました。スタイリッシュな都会の雰囲気は今の世の中でも健在で、しかもただ一人の幻の女が見つからないために死刑になりかけている男、のありさまがあまりにこちらの心に突き刺さりました。たまたま町で出会った名前を知らない女性とお酒を飲んだり、食事をしたり観劇をしたりする・・・このあとの悲劇を考えると読み込んでしまいました。奥さんの笑い、というのが今回読んで一つのキーポイントと思いました。しかしラストの驚愕(犯人もですが、それよりも幻の女)と言ったら!
読了日:1月18日 著者:ウイリアムアイリッシュ,WilliamIrish
キャロル (河出文庫)キャロル (河出文庫)感想
映画を見る前にさくっと。「あの」ハイスミスなのですが、サスペンスでも意地悪な視点の物語でもなく、二人の女性の強烈な恋愛小説でした、どきどきするくらいに切ない(そしてわかる)二人の出会いの場面から、お互いどうしようもなく惹かれあっていく様子までが克明に描かれています。途中、なぜかページをめくるのが怖かったのは、破綻が見えている二人の愛の悲劇性をずうっと遠くに見ていたから。恋人がいようと、子供がいようと走っていくような二人の愛に心打たれました。そしていい意味でラスト驚愕!ハイスミス、やるな!!
読了日:1月18日 著者:パトリシアハイスミス
ポアロとグリーンショアの阿房宮 (クリスティー文庫)ポアロとグリーンショアの阿房宮 (クリスティー文庫)感想
全く知らないで、死者のあやまち、と途中で気づいて・・・・(原型の中篇です)。でもこの話、大好きなので全てをわかっていても楽しく読めました。ただ・・人物像があと一歩なんか欲しい、だから死者のあやまちはそういう意味でとても良い意味で膨らんだミステリだと思いました。作品そのものは死者のあやまちを読んだほうがいい気もしますが、クリスティー研究家のジョン・カランの解説がとっても貴重で読ませます。
読了日:1月18日 著者:アガサクリスティー
夕暮れ密室夕暮れ密室感想
青春ミステリ部分は好き。でもでも殺されちゃった女の子が、なんでこんなにモテモテなのか、というところがよくわからなかったです、だって出てくる場面があまりに短いから。そしてそのあと語ってくれる人達の言葉でも絶賛は出てくるんだけど、なんで?というのがよくわからなかったです、最後まで。単純に元気で可愛かったから?謎解きが多重で出てくるのですが、これがムラがあるのも惜しい。ちょっと長くて惜しい。すごく良くなりそうなのに、なんだかかんだか惜しい。
読了日:1月18日 著者:村崎友
追いかけるな 大人の流儀5追いかけるな 大人の流儀5感想
伊集院先生ファンなので大喜びで読みました。このシリーズも毎回襟を正したくなります。無頼でしかもおしゃれで、男として格好いいなあ・・・・と憧れます。言っている事のわずかなブレもないので、読ませるのかも。
読了日:1月18日 著者:伊集院静
さようなら、オレンジ (ちくま文庫)さようなら、オレンジ (ちくま文庫)感想
今まで読んだ本と毛色の違う本を読んだという印象でした、そして本当に読んで良かった。一見、二人の英語の出来ない人の自分探し、の本に見えますが(実際葛藤しているし)、実は人間にとって母国語とは何か、否、言語とは人間にとって何か、という非常に深い物語のように見えました。片や元難民の語りと、一方で日本人女性が大学の先生の夫についてやってきたオーストラリアの語りと、が交錯しています。途中で英語の手紙の文章であまりに悲惨で泣けました。割合初期で名前の不思議に気付くのですが、ラストそのわけがわかってまた涙。
読了日:1月18日 著者:岩城けい
ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集感想
もしこれを村上春樹の名前を伏せて出したとして。年齢を間違えると思います、それほど文章から「若さ」が伝わってくる一冊でした。村上春樹の紀行文集、久々でしたが、変わってないなあ・・・というのが強い印象でした。ボストン、アイスランド、アメリカ、、ギリシャ、フィンランド、トスカーナ、熊本と日本も含めて多彩ですが、どこの土地に行ってもやっぱり村上春樹がいるのです。彼流の切り取り、彼流の物事の考え方。特にかつて住んだ場所の再訪というのは作者にとっても思い入れが深いものだと実感しました。写真も豊富で楽しめた一冊でした。
読了日:1月18日 著者:村上春樹
私的読食録私的読食録感想
面白い!堀江敏幸が指摘しているように、二人の読書のスタンスは違うのです、どちらに惹かれるか、というとそれはもう私は角田光代でした。スクエアな切り取りの堀江敏幸のお勧め本は「読んでみたいけれど、いつかね」の感じで、角田光代の方は、「一刻も早く読まねば、または再読しなければ!」と思わせる新たな視点の書評でした。食べ物が出てくる物語、として特化していますが、どの本もそれ以上のところに深化しています。とりあえず伊集院静のクレープを是非読みたいと思いました。danchuで連載中と言うことで次まとまるのを待ってます。
読了日:1月18日 著者:角田光代,堀江敏幸
戦場のコックたち戦場のコックたち
読了日:1月18日 著者:深緑野分

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