評価 4.5

子供向きのアリス、ディズニーのアリス、じゃなくて大人の本のアリスをちゃんと読んだことがない!というのに気付いて、読んでみた。
これって翻訳かなり大変だったと思う、なんといっても言葉遊びが多いから。
そしてナンセンスの類もそれはそれは入っている。

最初の方でアリスが穴に落ちていく場面、まだあるのか穴は!と思ったくらいに長い長い穴だった。
なんとなくここはあっさり穴に落ちていく、と勝手に思っていた。
ぐん、ぐうんとという言葉が心に残る、そうやってアリスは色々なことを考えながら落ちていく。

このあと、大きくなったり小さくなったりするものを食べたり飲んだりするのだが、ここも何度もあるということに気付いた。
私の読んだ子供向けでは、これは多くて2回ぐらいではなかっただろうか?
最後まで読むとこれが夢の話、ということがわかる。
夢なのでやりたい放題だ。
チェシャ猫の笑いだけ残った空間ってどういうことだ!
ウミガメじゃなくてウミガメモドキってなんだ!
なんでも首をはねちゃうあの印象深い(これはディズニーにも子供向けにもある)女王様の尊大さってなんだ!
白兎はいるし、公爵夫人もいるし、どんどんずれて行ってしまうお茶会の席も用意されている。
女王様の庭園で白薔薇を赤に塗っている御付の者達もいる。
こうしてみると、印象深い場面というのは確かにディズニーにも子供向けにも入っている、そこに行き着くまでにたくさんのナンセンスとアリスの心の内と、言葉遊びがあるのだけれど。

なんだか色々なアイテムが見たような見ていないようなそんな不思議な気分になったアリスだった。

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ところで新潮文庫を選んだのは、矢川澄子訳というのもあるけれど、挿絵が金子國義だったから
テニエルの挿絵じゃないアリスはどのようになっているのか。
金子さんがどのように描いているか興味があったからだった。
これはまた金子さんらしい非常に面白いアリス像だった。