2016.03.07 謎の毒親


評価 4.5

ああ・・・巧い。
実話ということでとても驚いたが。
この相談形式というのが巧いし、答えの感じも理にかなっている。
誰にでもある、小さい頃の家庭の不思議な出来事・・・と思いきや、この家庭は常軌を逸している。
そう思いつつ次のページをめくらせてしまう力のようなものがあった。

親子の話だが、虐待なら虐待で、ああ・・・なんて悲惨な、と思うだろう。
また、理由がわかっているのなら、だからか・・・・悲劇だ、と思うだろう。
子供を徹底的に管理したいと言う親ならそれはそれでわかるだろう。

この話の相談の場合、親がこうしたああしたということが一切何もわからないところが思い切り怖い。
理由が全く見当たらないのだ、この相談を見ている限りでは。
子供の被害妄想?と思ってしまうほど、わからない。
安全であるべきはずの家庭でこのようなことがあるとは・・・・。
これに一番近いのは、学校のクラスのいじめではないか、これまた意味なく始まっていることが多いようだ。
ホラー小説を読んでいるようだ。

相談者のヒカル。
今はもう介護も終え、親から離れているのだが、それにしても小さい頃から親が不思議な存在だった。
外側はきれいな家なのに、なぜか家中に虫がいるという異様な家。
友達も選別され意味なく罵倒される。
容姿をずうっと馬鹿にされている。
病気だ病気だと言い聞かされている。
体育と数学が優れた子になれと言われる。
運動会で一等賞をとっても話を聞いてもらえない。
頭が臭いと言われている。
外食に行ってトイレに行っているのに、その間に両親がいなくなってしまう(あとから娘が一人で駅に向かったと二人ともが勘違いしていたのがわかるが、怒られる)
女の子らしい格好をするのを否定される。
これらは一体何だったのか。
両親は仲が悪かったのだが、ヒカルへの態度は一緒だった。
なぜなのか、大人になったヒカルは考える・・・そしてかつて知っていた本屋さんに相談することになる・・・


親との軋轢と言う言葉では許されないだろう。
この相談の答えで一瞬納得したような気もするけれど、次の瞬間やっぱりこれじゃないだろう・・・おかしいんだこの親が・・・とはっとするのだ。

特に衝撃的だったのは、布団の中に入ってきて思春期の胸を触ると言う行為だった。
これは何だろう?とそれは思うだろう。
確認か、自分の娘という。
ともかくも全体に、なぜ?というのがわからない。

あとこの本にもあったけれど、一人っ子というのがとても大きい。
これが兄弟さえいれば、その当時ですら話し合えるしお互いに見ることが出来る。
大きくなってから二人で確かめ合うことも出来る。
でもまともなのが一人でおかしいのが親とはいえ二人で、多勢に無勢だ。
「奇妙な出来事にあった時にたった一人でもそれを信じてくれた人がいる」という重要性がわかったように思う。