2016年3月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2017ページ
ナイス数:273ナイス

体の贈り物 (新潮文庫)体の贈り物 (新潮文庫)感想
数年前に読んで号泣したのですが、今回再び読んでみてまた号泣。ただ解説にもあるようにこの短編集の良さ、非常に説明しがたいです。死を目前に控えた患者と向き合っていくホームケアワーカーの視点で語られていく話、なのです。もうここだけで暗いっと思われそう。でも違うのです、それぞれの贈り物の構成が見事だし、死を通じて「生きる」とは何かというのを語ってくれています。ゆるやかに登場人物もあちこちに散見されます(それがまた病状変化でぐっときます)。特に動きの贈り物の最後の光に満ちたラストが素晴らしく涙が止まりませんでした。
読了日:3月18日 著者:レベッカブラウン
シンドローム (ボクラノSFシリーズ)シンドローム (ボクラノSFシリーズ)感想
ある日謎の物体が山のふもとに落下するのをクラスの全員が見ていた・・・ここから物語はスタートします。触手が出たり、陥没が始まったりと、SF小説の趣を持ちながら、その実しっかり青春小説であって、自意識の非常に高い屈折した思いを持つ一男子高校生の理屈の捏ね回し方がすごいと思いました。女子の久保田への思い、現実的な平岩との三角関係、なんでもかんでも映像に置き換える頭脳の持ち主倉石と登場人物も多彩です。非日常から日常、そんなに距離はないのかも。あと挿絵が素晴らしく、文章と一体感のある挿絵でした。ただ人は選ぶかも。
読了日:3月16日 著者:佐藤哲也
死体泥棒 (ハヤカワ・ミステリ文庫)死体泥棒 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
シンプルプランと出だしのあたりはとても似ていると思いました、飛行機事故の中からあるものを取り出してお金にしようとする・・・こちらの方が途中まで単独で全く孤独ですが。あと暑いし。読ませるし話の転がり方は面白いのですが、どこもかしこも適当すぎる感じが・・・・。ブラジルミステリ(ドイツで賞を取ったらしい)初めてだと思いますが、熱気と偏狭の地の怖さは(ブラジルでもボリビアに近い地域)印象的ですが、ラストまで読むと、あれは?これは?と疑問がふつふつと沸いてきました。
読了日:3月16日 著者:パトリーシアメロ,PatriciaMelo
ドルフィン・ソングを救え!ドルフィン・ソングを救え!
読了日:3月12日 著者:樋口毅宏
殊能将之 未発表短篇集殊能将之 未発表短篇集感想
未発表作品3作とデビュー当時の様子を友達に送った「ハサミ男の秘密の日記」が収録されています。どれも、くすっと出来るユーモア、どこか物悲しい感じ、最後ちょっと驚く展開と、作者の原点があると思いました。鬼ごっこが私は一番面白くて、「その筋の方」に追われている誰かの物語と思っていたら最後、(こ・・・こういうこと?)と度肝抜かれました。ハサミ男の秘密の日記は、受賞当時のてんやわんやがしのばれます。お亡くなりになられたのがつくづく惜しまれます。
読了日:3月12日 著者:殊能将之
謎の毒親謎の毒親感想
毒親。しかも謎の毒親。作者の実体験というので驚愕しました。少女の頃からの親からの罵声とか、意味のわからない叱責とか、友達への干渉とか、体へのタッチ。虐待、ではないところがなんとも言えません。相談と言う形式をとっているのが巧いし、その答えと言う形になっているのも巧いと思いました。読ませるのです、こんなことあり得るの?と思いつつも。辛いのは、両親ともにそういう親であると言うことと、一人っ子で目撃者が他にいないということだと感じました。異常な行いが一人以外誰にも理解されていない信じてもらえない怖さがありました。
読了日:3月7日 著者:姫野カオルコ
異類婚姻譚異類婚姻譚感想
面白かったです怖いけど。夫婦でよく顔が似てくるという通説のようなものがありますが、この物語はそれを越えての物語でした。何かに取り付かれたようになってくる夫、違和感を覚えつつ夫の顔の目鼻口がせわしなく動くのをじいっと見るサンちゃん、そして猫の尿害に困っているキタエさん、と登場人物も多彩で会話も読ませます。自分の夫がなんだかわからないものになっていくぬめっとした感覚が非常に私は高くかえました。ラストどうしめるんだと思ったらここも驚きました、このしめかたかと。残りの作品の中では犬たち、が好み。ラスト一行に仰天。
読了日:3月7日 著者:本谷有希子
放課後スプリング・トレイン (創元推理文庫)放課後スプリング・トレイン (創元推理文庫)感想
あ、好きだなと思った一冊でした。日常の謎を友人の彼氏の親友がさりげなく解いていく、と言う福岡が舞台の物語で、円紫さんシリーズのパターンを思い出しました。謎そのものは日常の謎なので強烈なものではありません。だけど学生生活がとても魅力的なのです、学園祭での劇のひとこま、親友との待ち合わせ、その親友の彼氏の友達とダブルデート、席替えでの出来事、と友人達との会話も含め、読んでいて楽しめました。惜しむらくは、あと一歩親友朝名の内面を描いて欲しいということです。ラスト、あることでとても驚きました。シリーズ化希望。
読了日:3月7日 著者:吉野泉

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