評価 4.9

訳者としてしか知らなかったのだが、とても刺激的で面白い。
特に今のアメリカ文学をわかりやすく語ってくれる語り口に魅了された。
そこはかとないユーモア、わかりやすい話、そして深い洞察・・・。

切り口が非常に新しく、読んでいて目から鱗、という部分がとてもあった。
アメリカ文学が「偉大なるアメリカ文学」を書こうという使命感に燃えていて、勢い分厚い著作に事欠かない・・・という指摘にはなるほどと思ったのだった。
そしてこれが、白鯨からきているということもまた。
タイトルにアメリカが多いという指摘も、この人ならでは、だと感心した。

更に今になると、無国籍になっているアメリカン文学があり、どちらかというと奇想の傾向になっている(なるほど!)
ここに村上春樹の著作がなぜ海外で受け入れられるのか、そして確かに村上春樹の小説のモチーフはこのように繋がっているんだ、と改めて思ったのだった。

具体的な本の書名がたくさん出てくる。
それだけでわくわくし、それがどういう役割を持っているのか、というのを目の当たりにすると感慨深いものがあった。
これらを読んだ上でもう一度この本を読み直してみたい。
日本の作家で多和田葉子、松田青子などの名前が挙がっているのもとても頷ける。