2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5039ページ
ナイス数:371ナイス

帰って来たヒトラー下帰って来たヒトラー下感想
ラスト、私の予想があったのですが見事裏切られ、こういう結末に・・・。でもこの結末が非常にまた納得できるのです。ヒトラーの言葉にいちいち、えっと驚愕しながらも思わず引き込まれていく本でした。過去を踏まえつつの現代の演説もこれだったら人が惹きつけられるだろうなあ・・・と思わせるものでした。またラストの註は一般的な知識しかヒトラーにない私にはとてもとても読ませる註で、初めて知ったこともたくさんありました。この表紙も秀逸、髪型と髭だけで(髭はタイトルだし)ヒトラーと分かるなんて!さあ、映画館へ行きます~~!
読了日:6月30日 著者:ティムール・ヴェルメシュ
帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)感想
映画のために読み始めたのですが・・・いやあ・・・面白かったです。あのヒトラーがなんだかわからないけど現代に甦って、「彼の目」で現代のドイツの現状を見て憂えたり悲しんだり考えたりする、というある意味荒唐無稽な話なのですが、読ませます。ヒトラーが物真似している人、と捉えるマスコミと一般大衆側、と、本当のヒトラーとの齟齬が笑えました。わからないゼロのところから、ヒトラーの看破力のすごさからどんどん新しい知識を吸収していく、というところも読ませました。EUが問題になっている現在、更にこの本、楽しめます。(下巻へ
読了日:6月30日 著者:ティムール・ヴェルメシュ
虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)感想
大好き。二転三転の展開に取りつかれたように読み進めました。ある映画を思い出すし、このところのある小説も思い出します(だから話としては既存である話)。けれどこの話の面白いところは、こちらが(こうだろうなあ)と思っている展開と違う展開になっていくところ。小さな村にそれなりに暮らしている小説家のアランが隣人リーとのほのぼのとしたやり取りや、村の人たちの温厚な様子とか、最初をよく読んでおくと、後半で、ええええ!の連打が始まりました。しかし1965年に書かれた小説とは!そして小説家が書く小説の設定が2016年とは!
読了日:6月28日 著者:L.P.デイヴィス
魔法の夜魔法の夜感想
色々なものとか人が一気に動き出す月夜の魔法の物語。
読了日:6月28日 著者:スティーヴン・ミルハウザー
ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学感想
非常に刺激的であり読ませるエッセイでした。翻訳者という立場から、アメリカ文学を縦横無尽に語ってくれています、そこはかとないユーモアとともに。目から鱗という部分が非常に多く、どの文章も一つ一つ頷けたのでした。具体的な署名がたくさん載っているのでそこもまた魅力的、村上春樹にも言及していてその部分も膝を打つと言った感じでした。読んでみたい本がたくさんできて、更にはそれを読んでからもう一度この本を読んでみたいです。
読了日:6月28日 著者:藤井光
希望荘希望荘感想
最初から最後までページをめくる手が止まりませんでした。杉村三郎シリーズの最新刊。衝撃の結末のペテロの葬列以来なので杉村三郎がどうしているかという興味もありました。4編入っていますが、特に表題作の希望荘が秀逸でした。施設に入っていた父が人殺しをしたという告白を残して死んだ、その真偽は、という話ですが、なぜ彼が告白をしたのか、そしてこの中に出てくる人間の一つの姿に対する言葉など忘れない文章がたくさんありました、更にラストも含蓄ある終わり方。次の砂男も実に忘れ難い名品でした、想像していたのを超えていました。
読了日:6月24日 著者:宮部みゆき
ささやかな手記 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ささやかな手記 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
解説にあるように、どんでん返しとか派手なパフォーマンスのあるミステリではありません。じわじわじわじわと主人公と一緒に心を蝕むような監禁がこれでもかと描かれていきます。でも私はこの小説とても好きでした。妻を兄に寝取られ暴力をふるって刑務所に入れられたテオ。前半ある部分までは美しい山歩きでテオが徐々に人間の心を取り戻していき、そのあと老兄弟によって監禁され働かされるという絶望状況が始まります。とことん人間が堕ちていく設定がすさまじく、飼い犬になってしまう人間とそれでも生きていくことを選択する姿に戦慄しました。
読了日:6月21日 著者:サンドリーヌコレット,SandrineCollette
埋葬された夏 (創元推理文庫)埋葬された夏 (創元推理文庫)感想
20年前にイギリスの小さな田舎町で起こった一つの殺人事件。逮捕されたのは問題の多かった少女コリーン。20年後に弁護士に依頼され私立探偵のショーンが再捜査を始めるのです。現在と過去が交互に出てくるミステリで「誰が殺されたのか」というのは最後に至るまで全く分かりません。過去の学生生活場面が非常に読ませます、一人の転校生によって壊される友情、恋の行方、人を支配していく雰囲気がよく描けています。そして最後驚きました、こういうことだったのかと。惜しむらくは、ショーンがキャラクターとしてやや弱いように思いました。
読了日:6月21日 著者:キャシー・アンズワース
スクープのたまごスクープのたまご感想
出版社の週刊誌記者のお仕事小説。わかったこととかそうだったのか、というのは多くあったのですが。日向子があと一歩心に響きませんでした。
読了日:6月21日 著者:大崎梢
あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)あの素晴らしき七年 (新潮クレスト・ブックス)感想
この素晴らしき本!エッセイの全てに奥ゆかしいユーモアがあり、涙もあり、根底には愛がありました。どの話もどうやったらこんなにうまく書けるのかと思うくらいにエッセイとしても短編としても素晴らしい作品でした。イスラエルに暮らすということ、日々自分がユダヤ人ということを認識するということ、その中で息子が生まれ、ゲットーを生き延びた父が癌のため余命いくばくもなくなり、優秀だった兄がいて、と強烈な家族の物語でもありました。ポーランドのゲットーから抜け出して食料を求めていた少女(作者の母)の話にも涙。奇縁の住居話も涙。
読了日:6月10日 著者:エトガルケレット
記憶屋 (角川ホラー文庫)記憶屋 (角川ホラー文庫)感想
都市伝説でもある人の記憶を消す記憶屋。記憶屋の有無をめぐって、大学生の遼一が探っていくのです、記憶屋は一体いるのかいないのか。そして探っていくうちに幼い日の記憶も鮮やかに甦ってきて。面白く読みました、現代の都市伝説の探り方ってサイトをめぐっていくのだなあというのも新鮮だったし、オフでその人たちに会うという手法もいかにも今、だし。最後多少の驚きもありました(予測していたものの)。が、物語とはいえ記憶がどの部分を消すのかという細かい設定をしてほしいと思いました。記憶って連続なのである記憶のスポットだけ消す?
読了日:6月8日 著者:織守きょうや
大きな鳥にさらわれないよう大きな鳥にさらわれないよう感想
冒頭の静かに外の温泉場で湯浴みをする女性集団、その傍らにいる子供集団の姿に圧倒されました。そしてこれが現在の日本とかではなくSF的世界であると分かった時に、非常に引き込まれました。この世界ではヒトが科目に属していて死なないとわからない(ネズミとかカンガルーとか)、ヒト同志交わらず工場で人や食べ物が作られている、見守りと呼ばれる人が存在。連作集で薄紙をはがすようにこの世界の成り立ちがわかってきます。ただ、私は途中で世界観にのめりこめず非常に微妙な気持ちになりました。この小説、詩なんだと思います。
読了日:6月8日 著者:川上弘美
タマゴマジックタマゴマジック感想
エッセイと小説のサンドイッチ(交互に出てきます)なのですが、このエッセイが不思議と効果を上げていて(日常で見る不思議な話が多いです)小説の方も楽しめたし、エッセイも楽しめたというお得感溢れる一冊でした。ものすごいガツン!はないものの、さくさくと読める恩田ワールドが広がっていました。ブリキの卵(小説)は、途中大いに盛り上げてくれました。また冒頭に魔術師(象と耳鳴り)が置いてあって懐かしい関根多佳雄に再会しました。最後の魔術師は地震後に書かれた作品で仙台の希望のようなものを受け取りました(関根春がここに!)
読了日:6月8日 著者:恩田陸
砕け散るところを見せてあげる (新潮文庫nex)砕け散るところを見せてあげる (新潮文庫nex)感想
途中までは「高校で壮絶ないじめを受けている後輩女子」を救う先輩の男子の話と思いきや、途中で反転しました。いじめは表面に見えている小さな問題なのだと。もっと山のようにそびえる大きな問題があったのだと。あくまで玻璃を救おうとする清澄の姿が印象的です。ある作品とコンセプトが似ているなあと強く思いました。なんですが!ラスト20ページで?一応の解釈は出しましたが、まだ咀嚼しきれていません。あと、UFOとか、真っ赤な嵐とか、!!とか、特有な言葉遣いが連発するので私にはなんというか・・・。あ、尾崎姉妹はいいなあ。
読了日:6月8日 著者:竹宮ゆゆこ
たましいのふたりごと (単行本)たましいのふたりごと (単行本)感想
川上・穂村の両人と編集の方が出したお題に対して、二人が対談していくという趣向。一番の驚きは、作家と歌人が個人的に親しいということでした、違う雰囲気の二人だったから。でもこの対談を見ていると、二人の違っているところはもちろん大きくあるのですが、もしかして理解度ということで深く理解しあえる何物かが二人にはあるなあと思いました。二人の話、必ずしもぴったりと噛み合っていないのです、齟齬があるのです。そこが面白いと思いました。ただ・・・お題に対して、文章の多少があるのはなぜでしょう?ちょっと掘り下げが少ないかなあ。
読了日:6月6日 著者:川上未映子,穂村弘
ささやかで大きな嘘〈下〉 (創元推理文庫)ささやかで大きな嘘〈下〉 (創元推理文庫)感想
「誰かが殺された」というのは途中の会話文で間違いがないのに、最後の方に行くまで一体誰が殺されたのか、そしてもちろんのこと誰が犯人なのかというのもわからず、状況もわからずという構成が面白かったです。しかも途中で私は違った人が殺されたと思い込み(あーあ)と思い込みました。それぞれの秘密を抱えたデスパレートな妻たちじゃなくて(このドラマをちょっと思い出した)、ママ友たち。予備知識ゼロであらすじも見ない方が楽しめると思います。私は驚きました、この事件の全貌が見えた時に。そして爽快でした、読み終わって。
読了日:6月6日 著者:リアーン・モリアーティ
ささやかで大きな嘘〈上〉 (創元推理文庫)ささやかで大きな嘘〈上〉 (創元推理文庫)感想
微妙かなあ・・・と思いつつ(ママ友トラブルから発展した殺人事件の話という事前情報)、読み始めたら、これが意外に面白かったです。ママ友トラブルは海外でもあるんだなあ!と感心していましたが、そこよりも、それぞれのママの生活が浮き彫りになっていって、ついでにその人の性格もくっきりと現れていて、すぐに誰が誰かというのが頭に入りました。公立なんだけどいわゆるセレブ幼稚園に一人のシングルマザーの異分子がやってきた・・・。なぜ彼女はここに来たのか。彼女の子供は本当にいじめをしているのか。そしてなによりも、(以下下巻に)
読了日:6月6日 著者:リアーン・モリアーティ

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